プロローグ
『異世界計画』を完結させ、二作目となります。
また、異世界ものですがお付き合いください。
カリカリカリカリ。
ノートを突き破るかの如く力強くペンを走らせる。
〝死ね死ね死ね死ね死ねーー!!”
人には見せられないような言葉の羅列を雑に書きまくている。
俺、桐生カズマは親友に裏切られた。
いや、親友だと思っていただけだったのかもしれない。
部屋の電気は消してあり、机の電気だけつけてある。
そのほうが雰囲気が出て気分が良いのだ。
〝地に堕ちろ!どこまでも深く!そして死ね!”
もう自分でも何をやっているかわからないくらい頭に血が上っていた。
カリカリカリカリ。
書き続ける。
「あ。」
手が止まる。
いつの間にか最後の1ページになっている。
最後というのは何事でも特別感がある。
いったんペンを置き。
腕を組んで考える。
「決めた」
俺は呟き、そして、書く。
カリカリ。
〝この世界はつまらない”
俺は一通り吐き出したいことを書きまくったのでスッキリしていた。
しかし、ノートに視線を戻したときに異変に気付いた。
〝違う世界へ行ってみたいと思いませんか?”
文が増えている。
これは俺の字ではないことは確かであった。
「なんだよ、これ」
しかし、好奇心というものは心が弱っているときはどうにもならない。
〝もちろん、行けるなら今すぐにでも”
返答してしまった。
〝契約成立ですね”
返事を見てまずいと思い消しゴムで消そうとするが、消えない。
「だって、ペンで書いちゃったじゃないですか。まあ、鉛筆だったとしても消せませんでしたけどね」
「うわわわああああ!!」
いきなりの耳元の声に驚き椅子から落ちてしまった。
「痛い」
お尻を優しく撫でながら呟いた。
尻もちをついている俺の目の前にさっきの声の主らしき人物が立っていた。
恐る恐る見上げてみた。
黒いローブを着ていて、顔はフードが深々と覆っていて見えない。
「あなたはいったい」
「はじめまして私はエミリア。契約ありがとうございます」
そう言いながらフードを取った。
俺は声が出なかった。
人間ではないのだ。
しかし、どこかで見たことのある容姿である。
「あ、エルフ?」
「おお!よくぞご存じで!」
耳だけ見て判断したがどうやら的中したようだ。
「さっそくですが契約していただいたので私達の国に来てください」
いやいやいやいや、おかしいだろー!と心の中で叫んだ。
とにかく現状を把握するために質問することにした。
「あの・・・契約内容とか知らないんすけど」
「私達の国を守ってください」
「・・・は?」
頭が追い付かない。
なにこの詐欺まがいの契約。
おかしくない?
心の中で言いたいことが溢れていた。
「とりあえずこれは俺がカッとなって気まぐれで返事しただけだから」
「契約を剥奪されるおつもりですか?」
「つもりもなにも契約とかそっちが勝手にそう思っているだけだから!」
「でも、このノートを見る限りこの世界でカズマ様がやっていける姿を想像できません」
「うるせぇ!」
またつい頭に血が上ってしまった。
エミリアは涙目になっている。
しかも、その目で俺の目をじっと見つめてくるのだ。
「ごめん、エミリア?さん。つい」
「・・・・・・。」
「とりあえず話は聞くから」
そう言いながら俺は部屋の電気をつけた。
しかし、また俺には衝撃が走る。
エミリアと名乗るエルフの女、凄まじくかわいいのである。
ただ、一点だけ言うとすれば、貧乳だ。まな板だ。
しかし、俺は全国民に貧乳最高!!と言えるくらいの美少女である。
「貧乳、いいな」
思わず呟いてしまった。
俺は今まで受けたことないくらいの嫌そうな目で睨まれた。
「とりあえず、説明しますね。今私達エルフの国は王が病気で倒れてしまい国が混乱状態で敵国からの攻撃をいつ受けてもおかしくない状況なのです。それを救っていただくというのが契約内容になります」
「俺、そんな力ないし」
「魔法は使える身体にはなりますし、多少は力ありますよ」
「あれ、そんながんばって守らなくてもいい感じ?」
「んー私もよくわかっていないんですよ。でも、他国からの情報やエルフ国の歴史を見てみるとこのチキュウってところの契約者が強いという情報があったもので」
おいおいおいおい。
くっそ適当じゃねーか!!
「戦わないといけないんですよね?」
「はい!!」
「いや、満面の笑みを浮かべられても・・・」
「まっ!行ってみましょうよ!」
「はあ」
退屈していたところだしとりあえず行ってみることにした。
「エミリアでいいんですか?呼び方」
「ぜひ!」
学校のクラスにいたら性格だけでも一番モテるんだろうなと思った。
「では、早速行きましょうか。私の肩につかまってください」
俺がしっかりつかまっているのを確認し、エミリアは指を鳴らした。
パチン!!
すると部屋が歪み始めた。いや、空間が歪み始めた。
「気持ち悪い・・・」
俺は車酔いみたいに気持ち悪くなった。
やがて、俺とエミリアは光に包まれる。
「さあ、行きますよ」
どうやら俺の旅が始まったようだ。




