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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
騎士と呪いと花
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雨の日の過ごし方

ソルベの探す花はマイペースに探しているヘルムート達。

そんな今日は雨模様の天気。

そのせいなのかアルも暇そうにしていた。

雨の日は何かと面倒なものである。


「はぁ、雨の日は億劫だわ」


「それは仕方ないですよ、天気ばかりはどうにもなりませんからね」


「だな、雨だからこそゆっくり過ごすのもいいものだぞ」


「そういえばソルベさんは今日も何か作ってるんですか?」


そのソルベはキッチンで何やら作っている様子。


今ではすっかり料理上手になってしまったようだ。


「出来たぞ、レモンクリームのタルトだ」


「相変わらずクオリティの高いものを作りますね」


「なんであんたはこんな上達するわけ?」


「そこは基本スペックの差ではないか?」


「ヘルムートさん、容赦ないですね」


まあそれはともかく、ソルベの作ったレモンクリームのタルトをいただく事に。

雨の日という事もあってなのか、こういう事をする時間もあるようだ。


ソルベも今ではプロにも負けない料理の腕前だ。

やはり理解力や学習能力が高いのだろうか。


「美味しいですね、このタルト」


「はい、レモンの酸味がクリームとよく合ってます」


「ふふん、今日はレモンが安かったからな」


「すっかり買い物上手になったわね」


「目利きも上手いからな、こいつのスペックの高さは侮れん」


レモンの酸味とクリームの甘さが絶妙なそのタルト。

ベリンダもお菓子作りが好きな身としては負けられないと思っていた。


洵も洋菓子は好きで、こう見えて甘いものは好きなのである。

アルもなんか悔しそうな顔をしているのは差をつけられているからなのか。


「今日は雨だからな、降り出す前に買い物を終えて正解だった」


「そういえば木花とメアは上で洗濯物の片付けをしているのか」


「雨の日って何かとジメジメするわよね」


「姫様は活発な人ですから、雨の日とかは好きじゃないんですよ」


「アルさんらしいですね、外を駆け回るタイプですか」


そんな話をしつつタルトを食べている。

すっかりこの家に馴染んでいるソルベやアルも楽しそうではある。


雨の日は外に出るのが面倒なので家の中でのんびりだ。

そういえばと洵が面白い話をする。


「この中に雨男とか雨女はいないんでしょうか」


「なんだそれは?」


「そいつがいるとなぜかよく雨になったりする不思議な奴の事だ、逆もある」


「つまりその人はなぜか出かける日に限って雨になったりという事ですか?」


「そんなの迷信でしょ、なんでそんな都合のいい事があるのよ」


雨男や晴れ男の事はまんざらでもない話ではある。

その人が外出する日にピンポイントで雨が降り、翌日は晴れるなどという奇跡は起きるのだ。


「実際にどこの国でも外出する日に限って雨になる人はいるんですよ」


「逆もあってな、イベントの日に限って晴れになる奴もいる」


「なんか凄い話ですね」


「その人ってなんかサイコ的なものでも出してるのかしら」


「だが興味深い話だな、雨男や晴れ男か、女もあるが」


なぜかそういう事になる人は世の中にはいるもので。

外出する日にピンポイントで天気を操作するかのような事は本当に起こるのだ。


「一説では雨男や晴れ男といったものは前世が関係しているとも言われますね」


「つまり前世で悪い事をしたとか、いい事をしたとかそういう事か?」


「それこそ迷信もいいとこじゃないのよ」


「だがそうとしか思えないような話でもあるんだがな」


「うーん、人の神秘ですね、これは」


そんな雨の日はゆっくりと過ぎていく。

雨男、晴れ男、そういった天気の話は謎も多いものだ。


なぜそうなるのかは実際はよくわからないものである。

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