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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
騎士と呪いと花
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少し早い氷

ソルベの求める花についてはマイペースで探すヘルムート達。

そんな中少し暑くなってきたここ最近。

なので少し早いが涼むためのものを出す事に。

それは東の国の夏の定番のあれである。


「よっと、これでいいですか?」


「うむ、少し早い気もするがな」


「なんですかそれ?」


「何かの機械かしら?」


洵が出しているもの、それはかき氷機である。


最近暑い日が続いているので、少し早いが出す事にしたという。


「おい、お前達、何をしているんだ」


「なんか涼しくなるんですって」


「こいつは夏には欠かせんからな、お前達も食うだろう?」


「好きな味で食べていいですよ」


「好きな味?これで何を作るんでしょうか」


とりあえずその機械をコンセントに繋ぐ。

家庭用にしては珍しい電動のかき氷機である。


ヘルムートがシロップと氷を持ってくる。

そして洵がそれを実践してみせる。


「氷をセットして、スイッチを入れると」


「うわっ、これは氷を削っているのか?」


「削った氷を食べるの?貧乏かしら」


「こいつはかき氷だ、削った氷に好みの味のシロップをかけて食べるものだ」


「シロップってこれですか」


そうしているうちに氷が削り終わる。

そして洵はいちごシロップで食べ始める。


それを見ていたアル達もとりあえず食べてみる事に。

ヘルムートが各自の氷を削り好きなシロップを訊く。


「ワシはレモンで食べるが、お前達は何にする」


「私はメロンにするわ、リッチそうだし」


「なら僕はこのブルーハワイというやつにする」


「えっと、それじゃ練乳で…」


「西の国ではどちらかというと氷菓子はシャーベットとかでしょうか」


そんなわけで各自シロップをかけて氷を食べ始める。

氷の冷たさとシロップの甘さは意外とマッチするもので。


アル達も意外と美味しそうに食べている。

そんな中ソルベが何か閃いたようだが。


「そうだ、こいつにアイスコーヒーをかけてみるか」


「アイスコーヒー?そんなの美味しいの?」


「それにしても完食せずに試そうとするのか、まあいいが」


「んーっ…頭がキーンとします…」


「一気に食べるとそうなるのはお約束ですよ」


そんなわけでソルベがキンキンに冷えたアイスコーヒーを持ってくる。

それを削った氷にかけさらに少量のチョコシロップをかける。


要するにモカ系の味付けである。

それを試しに食べてみると。


「うん、やはり美味しいな、モカ系の味はかき氷に合う」


「ブルーハワイを完食してそのコーヒーのかき氷も完食する気か」


「ソルベってすっかり創作料理が趣味になってるわよね」


「確実に不味いという組み合わせはしないのも味覚の鋭さですか」


「美味しいんですけど、頭がぁ~…」


そしてソルベの何かに火をつけたようでもあった。

かき氷で様々な味を試そうという事を考えているようだ。


かき氷は美味しいのだが、それに付き合わされるのはたまらないものだ。

流石に何杯もかき氷を食わされるのは勘弁して欲しいと思っていた。


「さて、暇な時にでもいろいろ試したいから付き合ってくれ」


「あまり大量に食わせるなよ、いいな?」


「氷は流石に多量に食べるとお腹を下しますからね」


「ソルベって好奇心だけは一人前なんだものね、本当に」


「美味しいんですけど、付き合うのも楽じゃないですよ」


そんなソルベの好奇心はヘルムート達を巻き込んでいく。

花の事も忘れてはいないが、自由なものである。


美味しいものが食べられるものの、少し手がかかるのは言うまでもない。

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