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桃の節句

今日もいつもと変わらぬ日々を送るヘルムート達。

そんな中今日は少し変わったものを用意する。

それは東の国の風習の一つ。

せっかくなのでアル達も祝う事にした。


「出来ましたよ」


「今日のお昼は混ぜご飯なの?」


「東の国で言う桃の節句だからな、一日ズレたがまあいいだろ」


「桃の節句?なんですかそれ」


それについては洵が説明してくれる。


女の子のお祝いとでもいう感じの祝い事である。


「ふーん、つまり女の子のお祭りなのね」


「そういう事だ、ひなあられとちらし寿司、あとは菱餅か」


「流石に雛人形は用意出来ませんからね」


「なので木花さんに頼んで料理だけでもという事ですよ」


「ならそれでいいですよ、メアさんも本当は祝うべきなんでしょうけど」


メアは相変わらずふらふらとどこかへと出かけている。

今日も恐らく役所の図書室に行っているのだろう。


ヘルムートも本当は祝ってやりたいが、今は仕方ないと思っていた。

あとでそれはしてやるとして、今はその料理を食べる事に。


「それにしても東の国って混ぜご飯が好きよね」


「そうですね、ちらし寿司の他に釜飯や炊き込みご飯などもありますし」


「東の国の場合はそういう食文化という事ですよ」


「あの、それとその白い飲み物は?」


「こいつか?甘酒だな、酒とは言うがアルコールは入ってないから安心して飲める」


甘酒はこういう祝い事には欠かせない。

もちろん子供でも飲めるので安心である。


アル達もちらし寿司を美味しそうに食べている。

東の国のこういう料理はやはり新鮮なのだろうか。


「美味しいわね、酢飯と卵とか野菜がいい味になってるわ」


「混ぜご飯の他にも丼物なんかも東の国の独特な食べ物なんだろうな」


「牛丼とかそういうやつですね」


「でもなんでそういうのを考えついたんでしょうか」


「元々は建設現場で働く人達などが素早く栄養を摂れるように生まれたとも言われますね」


丼物は素早い栄養補給と食事が目的なのだろう。

建設関係などの仕事をする人達が素早く食べられるように、そんな説は確かにある。


とはいえちらし寿司のようなものとは違う。

だが東の国は米と他の食材を混ぜて一緒に食べる文化があるのだ。


「そういえばちらし寿司って言うんですからお寿司の仲間なんですよね?」


「一応は仲間ですね、お寿司と言っても握りだけではありませんしね」


「料理ってのはそれだけとも限らんからな」


「つまりお寿司と一言で言っても種類は多様なのね」


「ええ、なのでいなり寿司などもお寿司の仲間ですからね」


東の国で言う寿司とは主に酢飯を使ったものを指すのだろう。

酢飯を使ってあればちらしでもいなりでも寿司になるのかもしれない。


握り寿司だけが寿司ではないし味も多様である。

アル達もそういう様々な種類の寿司に触れてみたいと思った。


「ちらし寿司は美味しいけど、一度握り寿司とかも食べてみたいわね」


「プロには及ばないものの材料があれば作れるんですけどね」


「とはいえ生魚を使うので長持ちしないんですよ、だから何かと難しいかと」


「そうなんですね、生物って痛みやすいですからね、お菓子でもそうですし」


「ならいなり寿司ぐらいは作れるだろ、油揚げは手に入るしな」


確かにいなり寿司ぐらいはここでも作れるだろう。

アルも今度作って欲しいと頼み込む。


「分かりました、では近いうちにいなり寿司は作りますか」


「やった、楽しみにしてるわね」


「五目にするか普通の酢飯で作るかだな」


「それはその日までに決めればいいかと」


「いなり寿司…わくわくします」


そんなこんなで桃の節句を簡単に祝ったのだった。

あとで帰ってきたメアにもそれをきちんとしておいた。


近いうちにいなり寿司を作るのです。

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