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好みは似てる

いつものように日々を過ごすヘルムート達。

そんな中アルも東の国の本を最近はよく読んでいる。

そんな読み物の中でアルが感じ取ったもの。

それは東も西も好みは意外と似ているという事だった。


「ねえ、このねずみ小僧ってなに?」


「ねずみ小僧ですか?また面白いものを読んでいますね」


「姫様は気になった事はきちんと訊くんですよ」


「ねずみ小僧な、それは西の国で言うルパンとかそういうものだぞ」


例えとしてはまあなんとなく合っている。


要するに怪盗という事であるので。


「つまり怪盗よね?東の国ってネーミングセンスが面白いわね」


「面白そうな話をしているわね」


「おや、メアさん、興味がありますか」


「まあネーミングセンスなんてもんは東の国も西の国もどっこいどっこいだろ」


「言葉の響きの問題ですかね」


ベリンダの言う事は大体は合ってる。

名前の響きってなんだかんだで大切なのだ。


そんな名前の響きはさておき、怪盗が好きなのは東も西も変わらないのか。

それとも義賊が好きなのか。


「東の国にもこういう怪盗のお話があるのね、面白いじゃない」


「東の国自体お話は多様ですからね、鬼のお話とか妖怪のお話とか」


「つまり悪い人達の視点のお話もあるの?」


「悪い人達の視点というか、悪い奴を成敗する話が好きなんだろうな」


「つまりヒーロー物のお話ですか?」


確かに東の国のお話は悪い相手を成敗するものが多い。

そして目立つのが悪は悪として明確に描く話が多い事。


あとは物語の結末が意外な結末な事もある。

子供向けの話などはマイルドにされているものの、実はという話も多い。


「東の国はなんだかんだでヒーローが好きなんだろうな、そう思うぞ」


「あと結末に関しても子供向けと実際は違うものもありますからね」


「結末が違うって、本当は残酷な結末とか?」


「気になるわね」


「でも童話とかお伽噺って意外とそんなものですよね」


意外な結末が多いのは東も西もよくある事だろう。

子供向けの童話などは一見するとハッピーエンドに見える。


だが本当の結末は残酷だったり恐ろしかったりする。

それは東も西も変わらないのだろう。


西の国の童話なども恐ろしい結末が真実というのはある。

東の国の昔話などもそんなものだと洵は言う。


「そういうところを考えると東も西も好みや趣向は似ていると思いますよ」


「本当の結末を知ると逆にもやもやするのも共通よね」


「なんで本当の結末はそういう事になっているのかしら」


「ワシも詳しくは知らんが、復讐の話みたいな一面はあるのかもしれんな」


「それか悲劇のお話とかでしょうか」


少なくとも本当の結末がハッピーエンドになっていないのは多い。

寧ろバッドエンドにしか見えないものがあるのも事実。


とはいえねずみ小僧といいルパンといい怪盗や義賊はどこの国も好きなのか。

貧しい人にとっての希望の星的なお話なのであろう。


「でもこういう怪盗とか義賊は貧しい人には救世主に見えるのかしらねぇ」


「貧しさは自己責任ですよ、お金では解決出来ません」


「でもお金がないと貧しさからも抜けられないわよね」


「結局は金があって腐らない事が貧困脱出の鍵だろ」


「お金って難しいですね、怪盗のお話を聞いてても」


そんな東も西も意外と似たものが好きなのだなという結論。

ただ内容に関しては異なる部分もちょくちょくある。


人はいつの世もヒーローや救世主に憧れるものなのだろう。

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