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国王の反応

怪奇事件の捜査が続く中いつもの日々を送るヘルムート達。

そんな中国王の誕生日の事をアルは考えていた。

贈ったプレゼントは喜んでもらえたかとも。

ちなみにそんなヘルムート達の下にアレク王子もお礼に来ていた。


「いや、ヘルムート殿、父上も喜んでいましたよ、感謝します」


「そうか、それは何よりだ」


「にしても父上も元気よねぇ、結構な歳なのに」


「あの国王様は好きなものを食うのが健康の秘訣、なのかもしれませんね」


この国の腐敗はあくまでも議会の話ではある。


王族達はそれに悩んではいるものの、結構自由である。


「私の贈ったものはどうだったの?」


「喜んでいましたよ、アルがプレゼントをくれるとか祝いじゃ!と」


「あの国王様ってなんかイメージと違うわよね」


「全くだ、結構自由なお方だよ」


「ヘルムートさんが国の仕事を辞めた理由って…」


それについてはあえて触れないでおく。

とはいえアルやベリンダもある程度は察しているのだろう。


洵と木花はその理由を知っていてあえて深くは言わない。

アルとベリンダが今のヘルムートに何を感じているのか。


「でも兄上も結構自由よね、国の仕事とかあるんじゃない?」


「一応第二王子だからね、でも基本的に王位継承の優先順位は第一王子だから」


「王族なんてものはそんなものだ、よほどの不測がなければ第一王子が最優先だろう」


「確かこの国の王族の子供は王子が三人と姫様でしたっけ?」


「つまりアルは第四子にして第一王女なのね」


立場的にはアルは一応第一王女ではあるが、序列的には第四子である。

その関係もあってか継承権は低くヘルムートの家に住み着いても特に問題はない。


アレク王子も第二王子ではあるが、優先順位は二番目だ。

それもあってなのか比較的自由は利くのがある。


こうしてヘルムートに密かに会いにきたりするのも自由が利くからこそだ。

王子曰く国王はヘルムートが辞めてから何かと嘆いていたらしい。


その理由が外国の美味しいものを頼めなくなったからだという。

そういう意味でもヘルムートは国王に重宝されていたし、信頼されていたのだろう。


「父上もヘルムート殿は信頼に値するし、何よりお土産を頼めると言っていましたね」


「あの国王は本当に国王とは思えんぐらい雑食だからな、毒を盛っても死なんだろう」


「普通はそういう立場の人の食事って毒味されてから出されるのよね」


「普通はそうですよ、だから冷めた食事が多いって聞きます」


「私もそれは知ってるんだけど、冷めたご飯とか美味しくないわよ、ホント」


ヘルムートの家に来てから温かい食事にありつける事の幸せを知ったのもある。

それにアルは元々立場的に構ってもらえる事も少なかったのもある。


だからこそこの家で暮らすのが今はとても暖かいのだろう。

アレク王子もそんなヘルムートにならアルを任せられると思っている。


国にいては学べない事も学べる。

アルにはそんな自分の道を見つけて欲しいと思っていた。


「さて、そろそろ私は帰りますね、何かあったらまたよろしく頼みますよ」


「ええ、王子もあまり目立ちすぎないように」


「帰り道も気をつけてね」


「兄上、父上の事を頼むわね」


「お気をつけて」


そうして王子は国に戻っていった。

この国の王族は結構自由なものだと改めて思う。


それは優先順位や継承権の関係もあるのだろう。

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