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まんじゅうとお茶

怪奇事件からしばらくが経過したいつもの日。

ヘルムート達は特に何事もないように暮らしていた。

そんな中寒いという事もあり温まるものを食べる事に。

それは東の国の温泉では定番のあれである。


「ふぅ、やはりこいつはいい」


「ヘルムート、あんたその歳でよく食べるわねぇ」


「ヘルムートさんの健康の秘訣ですよね」


「それっておまんじゅうですよね?」


ヘルムートの食べているものは温泉まんじゅうっぽくした蒸し饅頭である。


それを食べつつ緑茶をすするのが何よりも至福なのである。


「ちょうど先日送られてきたおまんじゅうがあったので蒸したんですよ」


「私も食べたい、ちょうだい」


「姫様は本当によく食べますね」


「まだあっただろ、蒸してもらえ」


「それにしてもアルさんは普段からよく食べているのに意外と太りませんね」


そんなわけで木花が追加で蒸しにいく。

それからしばらくして追加が蒸し上がる。


「どうぞ、中身は熱いので気をつけてくださいね、あとお茶もどうぞ」


「ええ、ありがとう」


「熱いあんこというのもいいものだろう、これが暖まるんだ」


「確かに美味しいですね、でもおまんじゅうって蒸しても美味しいんですね」


「あれですよね、温泉まんじゅうですよ」


洵の言う温泉まんじゅう。

それは東の国の温泉地では定番の甘味である。


温泉地ならどこにでもあるシンプルで定番のものだ。

温泉の蒸気で蒸し上げたり温泉水を使うからこそ温泉まんじゅうの名がついたのもある。


「温泉まんじゅうの由来ってそもそも何なのよ」


「そうですね、一説では温泉水で生地を練ったとか蒸すのに温泉の蒸気を使うとかです」


「へぇ、そんな由来なんですね」


「とはいえそれが出来る温泉自体限られてるんだがな」


「なので今では温泉地で売られてるものは全て温泉まんじゅうです」


身も蓋もない事ではあるが洵の言う事は当たっている。

その説は確かに昔から言われているが、真相は定かではないという。


それにより温泉地で売られるまんじゅうは全て温泉まんじゅうなのだ。

そもそも東の国は温泉大国でもあるからこそなのだが。


「東の国は温泉が多いですからね、効能も地域によって様々ですし」


「そんなに温泉が多いんですか?」


「多いな、それこそ東の国のどこへ行っても温泉施設がある」


「でも効能って本当に効くの?温泉に入るだけで腰痛が治ったりしたら医者は廃業よ」


「一応温泉には様々な成分は含まれていますが、それは定かではないですね」


アルの言う事も尤もではあるのだが。

確かに温泉で怪我や病気が治れば医者は廃業である。


とはいえそれを和らげる効果はあるのだろう。

完治したらそれこそ医者が廃業してしまうので触れないでおくが。


「とはいえ完治は流石にしないと思うぞ、あくまでも和らげる程度だろうな」


「本当に完治したらそれこそ創作の世界じゃないの」


「なんにしても温泉は体にはいいのでしょうね」


「西の国ってあるにはありますけど、温泉って少ないですしね」


「そもそも西の国は入浴タイプよりも岩盤浴などが多い気はしますね」


温泉についてのツッコミはさておき、温泉まんじゅうを美味しそうに食べるアル。

やはり東の国の食べ物にすっかり魅了されているようだ。


温泉まんじゅうをぺろりと平らげたあとはお茶で喉を潤す。

緑茶もすっかりお気に入りである。


「はぁ、美味しかった」


「それにしても温泉か、また行きたいもんだな」


「機会があれば東の国に旅行でも行きますか」


「いいですね、機会がある事を願います」


「その機会が来るといいですね」


そんなこんなで甘いものはやはり至福なようで。

いつか東の国に旅行に行ける事を思う。


温泉まんじゅうは由来は曖昧なものである。

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