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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
怪物との出会い
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噂のニュース

メアに必要なものを買い揃えたヘルムート。

それから数日、家具などが王都から陸路で届いた。

空路は例の事件によって便の数が一時的に減っている。

それは王都で起きた貴族の娘の失踪事件だ。


「それにしても王都の方は騒がしくなっているようだな」


「そうですね、貴族の娘の失踪事件ですか」


「ヘルムート様は分かっているのですよね」


「恐らくな、まあ起こった以上はワシにどうこう出来る問題でもない」


貴族の娘は怪物に喰われた。


王都では証拠すら見つからず、犯人も不明という神隠し状態となっている。

しかもあの日以降同じ事件は起きていないのだ。


「ヘルムートさん!ご注文の家具をお届けに上がりました!」


「お、来たか」


どうやら家具屋が来たようだ。


ヘルムートは家具屋にメアの部屋を案内し、家具を運び入れさせる。

木花にも手伝ってもらい家具をテキパキと配置していく。


家具の配置が終わり必要なものにサインを済ませる。


以上で家具屋の仕事も終わり陸路で王都へ引き上げていった。


「そういえばメアの奴はどこいったんだ」


「さあ?彼女ふらっといなくなりますからね」


「まあ街から出る事もないとは思いますし、お腹が減ったら戻ってきますよ」


メアもそこまで馬鹿ではない、恐らく放っておいても平気だろう。


そんなわけでヘルムートは仕事に戻る。

一方のメアはメアは街の中をうろついていた。


「おや、メアちゃん」


「なあに」


街の人からは可愛がられているようだ、尤も孤児院は事情を知るので近づかない。

そんな中メアもそのニュースは聞いていた。


「王都で神隠しだってさ、メアちゃんも気をつけるんだよ」


「ええ、そうするわ」


王都で起きた神隠し、その犯人がメアだとは誰も知らない。


そんな中洵の声がした。


「ほら!もっと力を込めて!」


「はいっ!先生!」


どうやら道場のようだ、洵が子供達に剣術を教えている。


「…洵も立派ね」


「おや、メアさん、どうされましたか?」


「なんでもないわ」


「そいつ誰?先生」


「私の家の家族ですよ」


「ふーん、よろしくな、えっと、メアだっけ」


メアはそれに対して反応は示さない。


「なんか言えって、変な奴だな」


「ははっ、彼女は人見知りなんですよ、あまり言わないでくださいね」


「はーい」


「では私は稽古がありますので、そろそろお昼ですし家に帰ればご飯ですよ」


「そうね、それじゃ」


そうしてメアは家に帰る。

とはいえご飯を食べるわけでもないが。


「お、メア、どこ行ってたんだ」


「適当に」


「ご飯の用意が出来ていますよ、食べますか?」


「いい、オレンジ」


「やれやれ、相変わらずそれか、まあいい、木花、オレンジをやってくれ」


「かしこまりました」


メアはオレンジを受け取るとそれを食べ始める。

ヘルムートは昼食を摂り少し休んでいた。


「なあ、王都で起きた神隠しってお前だろ」


「さあ?知らないわ」


「そう言うと思ってたよ、まあワシはそれでお前を追い出したりはしないさ」


「お人好しね」


そんな中警察の方でも同じ事件が起きないかと対策本部を立ち上げたという。

貴族の娘の失踪は本格的に神隠しになってきた。


そんなニュースを眺めつつヘルムートはお茶をすすりメアはオレンジを食べる。


神隠しという怪奇事件は王都でも話題になっていた。

だが数日経っても同じ事件は起きない。


それでも突然の神隠しはしばらくは話題として続くのであった。

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