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大粒のイチゴ

年末も近づきつつあるいつもの日。

ヘルムート達は特に何事もなく暮らしていた。

そんな中今回は冬に美味しいアレが届く。

洵のコネクションには感謝するものである。


「お、またか、今回はイチゴだな」


「ええ、大粒のやつが収穫出来たそうですよ」


「また何か届いたんですか?」


「話を聞くとイチゴよね」


アルとベリンダの嗅覚も研ぎ澄まされてきたものだ。


とりあえず届いたイチゴの箱を開けてみる。


「ほう、こいつは見事な大粒のイチゴだな」


「大きいですね、これも東の国で作られたものなんですか?」


「そうですよ、とても甘くて美味しいものです」


「おや、イチゴですか、せっかくですし食べますか?」


「食べたいわ!木花!すぐに準備をして!」


アルの希望もありとりあえずは食べてみる事になった。

洵の言うようにその甘さに期待がかかる。


少しして木花が水洗いしたイチゴを運んでくる。

ついでに好みで練乳もあるらしい。


「どうぞ、ヘタはこっちにお願いしますね」


「ではいただきますか」


「美味しい…このイチゴ凄く美味しいです!」


「相変わらず東の国は甘くしてくるな、もはやお家芸となってるな」


「なんで東の国の果物ってなんでもやたらと甘いのよ」


と、そこにヘルムートから指摘が入る。

それは勘違いも多い事だ。


「アル、イチゴは果物ではなく野菜の仲間だぞ?」


「へっ?そうなの?ずっと果物だと思ってたんだけど」


「イチゴは蔦になりますから野菜ですね」


「木に実るものが果物で蔦に実るものが一般的には野菜の仲間に分類されますね」


「つまりイチゴは蔦になるから…野菜?」


それは意外と勘違いも多い事でもある。

ちなみにメロンやスイカも蔦になるので野菜の仲間だ。


分類的には蔦に実るものは野菜、木に実るものは果物らしい。

アルもそれは勘違いをずっとしていたようで。


「イチゴは蔦ですから野菜の仲間です、メロンやスイカも野菜ですね」


「つまり高いところに実るものが果物っていう認識でいいの?」


「そうだ、野菜は主に土の中など低いところに実る」


「一方で果物は主に木に実るので高い場所に実りますね」


「知りませんでした、イチゴはずっと果物だとばかり」


ベリンダもそれは初耳らしい。

要するに実り方で野菜と果物の違いを判別出来るという事でもある。


蔦に実り地面に近い低い位置に実るものは野菜だ。

一方で木に実り高い場所に実るものが果物である。


「でも確かにイチゴって蔦に実ってたわね」


「ええ、それはイチゴが野菜である証拠ですよ」


「とはいえ知らなくても困るような事でもないがな」


「豆知識というものですね、俗に言う」


「でも勉強になりました」


そうしているうちにイチゴは綺麗さっぱり平らげられた。

その味にアルとベリンダも満足したようである。


「やはり旬のものが美味いな」


「イチゴの旬ってあるのね」


「イチゴの旬は冬ですよ、冬に旬を迎える野菜や果物は結構ありますから」


「確かに冬に一番出荷されるものとかありましたね」


「みかんなども旬は冬ですね、冬は乾燥するので果物はとてもいいですよ」


そんな果物や野菜の話で盛り上がり美味しいイチゴを堪能した。

もう少しで年の瀬という事もあり、冬も本番である。


洵の関係者から送られてくる食べ物はすっかり二人の胃袋を掴んでいた。

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