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ゆずと紅茶

最近は冷え始めたいつもの日。

ヘルムート達はいつものように暮らしていた。

店の方も特に問題なく経営しているので冬は問題なく越せそうだ。

そんな中寒さに効くあるものが届いた。


「ほう、ゆずか、こいつはいいな」


「知り合いのゆず農家からのものですよ、使い方も様々です」


「ゆずですか、飲み物にしたり皮をお風呂に浮かべたりとかですね」


「あの、ゆずって柑橘類ですよね?」


ベリンダはゆずはそこまで馴染みもないようだ。


そこにアルも戻ってくる。


「なになに、また何か届いたの?」


「ゆずですよ、これは体を温めるのにいいんですよね」


「体を温められるんですか?」


「紅茶に入れたりすると美味いんだ、ゆずの酸っぱさは体にもいいしな」


「なので今夜はゆず湯にでもしますか」


ゆず湯、聞いた事のない言葉にアルとベリンダは質問する。

ちなみにゆず湯はとても体が温まるので寒い季節には嬉しい。


「ゆず湯は東の国の入浴法でゆずを網に入れてお風呂に浮かべるんですよ」


「ふーん、面白いわね、東の国って」


「ちなみにゆず湯に入ると風邪を引かないとも言われているな」


「そうなんですか?体が温まるからでしょうか」


「東の国で言う冬至という日の風習ですよ、とても温まりますよ」


アルとベリンダもそれに興味を示したのか、ゆず湯に入ってみたいという。

木花も今夜はそれをやってみようという事で、今夜はゆず湯になった。


「木花、せっかくだからゆずレモンティーでも淹れてくれ」


「分かりました、では少しお待ちを」


「ゆずレモンティー?それって酸っぱいんじゃないの?」


「実はそうでもないんですよ、ハチミツも入れるので実質的にはちみつレモンです」


「あ、そうなんですか」


そうしてしばらくして木花がゆずレモンティーを持ってくる。

温かい紅茶からほのかに香る柑橘の香りがとてもいい。


「ゆずは元々体を温める効果もありますから、とても温まりますよ」


「飲んでみれば美味しいと思いますよ」


「それじゃ、いただきます」


「ん、凄いスーッとしますね、ハチミツも入ってるのでとても美味しいです」


「ゆずっていうのは健康にもいいからな、こいつは冬には助かる」


そんなこんなでゆずレモンティーをチミチミと飲んでいく。

木花が用意したクッキーもあるので昼時のティータイムである。


ゆずとレモンの酸っぱさとハチミツの甘さが紅茶をとても美味しくする。

そしてとても体が温まる、まさに芯から温まるのである。


「はぁ、凄いポカポカするわね」


「でしょう?ゆずはそのまま食べるよりは料理に使う方が多い果実ですから」


「実際鮭にゆずの皮を刻んだものをアクセントにしたりするからな」


「皮って食べられるんですか?」


「一応食べられますよ、ゆずの皮は酸っぱいですけど魚などに合いますね」


送られてきたゆずはそれなりにあるので料理にも使おうという事になった。

そこは木花が腕を振るってくれる事に期待しよう。


アルとベリンダも東の国の果実に不思議な感覚を覚えていた。

以前送られてきたみかんなどもそうだが、独自の進化を遂げたものなのだろう。


東の国の歴史の中でそういった東の国特有のものが多く生まれている。

アルとベリンダは他にも何かと食べてみたくなった。


「とりあえずは季節もあるので、季節に期待していただければ」


「そうね、洵の知り合いには感謝しなきゃ」


「さて、体も温まったところできちんと働くぞ」


「はい、お任せください」


「ふふ、すっかり打ち解けていますね、この二人も」


そうしてゆずの力で温まったので夕方までは仕事である。

その日の夜はゆず湯に浸かりとても温まったようだ。


洵のコネクションには感謝しているのである。

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