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年齢の話

怪盗騒動も落ち着いたいつもの日。

ヘルムート達は何事もなくいつものように過ごしていた。

そんな中アルは少し気になる話を持ち出してきた。

それは洵の年齢の話である。


「ねえ、洵って何歳なの?」


「私の年齢ですか?」


「洵さんは結構若く見えるんですけど」


「こいつは見た目よりも歳だぞ?」


ヘルムートは洵の年齢については知っているようだ。


洵もそれに特に問題もなく答えてくれる。


「私は50と少しですが、何か問題でもありますか?」


「50!?洵ってそんなおじさんだったのね」


「地味に失礼だな」


「いや、50にしては若いなぁって…」


「洵は何か若さの秘訣でもあるのかしら」


メアの言う洵の若さの秘密。

それは本人曰く食事にあるのだという。


「納豆とか海草をよく食べているからだと思いますよ」


「つまり食事が若さの秘訣なの?」


「それだけとは思えないわね」


「とはいえ和食は健康食としては知られているからな、塩が多いのはあれだが」


「ですがなぜそんな事を?」


「姫様は洵さんが健康的すぎて気になってたんですよ」


アルも洵の若々しさには何か秘密があると睨んでいた。

だがそれが食事というのには意外な答えだったようだ。


「でも私からしたら洵って本当にずるいと思うのよ」


「また何を言い出すんだ」


「一応家は漬物屋の他に道場も経営してますし、私はそこの準師範ですよ」


「準師範ってそんなに凄いんですか?」


「たぶん地位としては結構高いわよ」


洵が子供達に剣術を教えられるのも納得である。

それだけの腕前があれば教える立場としても文句はない。


それこそそれが剣術の腕の証明にもなる。

アルはそんな洵のスペックの高さに改めて驚いていた。


「とはいえ50すぎてこの健康体は見事なものだがな」


「ヘルムートも人の事言えるのかしら」


「でも確かに筋肉とかしっかりしてるし大したものよね」


「アルさんこそお姫様にしては鍛えられていると思いますけどね」


「姫様はお部屋にこもってるのとか苦手なんですよね」


アルは典型的な行動派らしい。

つまり待っているのが苦手なタイプのようだ。


そんなアルも洵に出会ってからはライバル心に火がついているとか。

東の国の剣術に負けるものかと熱が入っているらしい。


「お前は負けず嫌いだろ、だから洵に何かと突っかかるんだよな?」


「若気の至りね」


「うるさいわよ、地位は低くても王族なんだから負けたくないじゃないの」


「そういうところは国の威信的なものを感じますね」


「姫様はどれだけ負けず嫌いなんですか」


アルとしてもここに来て出会った東の剣士に負けたままではいられないらしい。

それも自分よりも倍以上生きている大人を相手にするのだから、なおさらである。


「とはいえアルさんも若さの割には大したものだと思いますけどね」


「姫様は努力はしてますから、どうせ王位は継げないって知ってますし」


「ここに住み着いたのもそれが理由だしな」


「大したものよね」


「メアは淡々と言わないで」


なんにしてもそんな若者と大人の関係は見ていて微笑ましい。

洵もアルとは上手くやれているのだ。


なんだかんだでこの関係が上手くいっている証拠なのかもしれない。

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