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肉を食す

怪盗騒動を聞いてから数日。

ヘルムート達は特に気にする事もなくいつものように暮らしていた。

そんな中今日の昼食は以前東の国から送られてきた肉にする事に。

東の国の肉はアル達にははじめての経験となる。


「木花、この前届いた肉があっただろ、昼はそれにしてくれ」


「それもそうですね、一応保存はしてますけど長くは持ちませんし」


「そういえばそんなのあったわね、東の国の肉って美味しいの?」


「美味しいですよ、好みはあるとは思いますけどね」


そうして木花がキッチンへ移動して肉の下ごしらえを始める。


それを待つ間その肉についても説明を受ける事に。


「東の国の肉は育て方からこだわりますからね、高級なものは高いですよ」


「相場はどれぐらいなのよ」


「そうだな、グラムで西の高級なのが2000として東のは5000ぐらいする」


「確か通貨単位で西の1は東では100ぐらいですよね?それ高いですよ」


「とはいえ西の国の品評会で絶賛されてますからね」


東の国の肉は育て方からこだわるという。

洵曰く東の国は食べ物に関しては世界のどの国よりもうるさいらしい。


そのため美味しい食べ物を作るために研究や努力を惜しまないという。

それが結果として美味しい食べ物を開発し、相応の高値になっているそうな。


「たぶん近いうちに東の国からりんごが届くと思います、美味しいですよ」


「そんなに美味しいの?」


「東の国は美味しくするために品種改良をよくやるんだ、独自のものが多いな」


「つまりそれだけ食べ物へのこだわりが強いんですか?」


「ええ、実際果物のように甘いトマトとか作ってしまうぐらいですから」


東の国は独自の方法で農作物を進化させているらしい。

野菜ですら果物並みに甘くしてしまうという脅威の執着である。


それは食べるという事への感謝とそれを美味しく味わいたいという気持ちなのか。

洵が言うにはそのこだわりは西の国に出荷して高級品扱いになる程度らしい。


そうしているうちにキッチンからいい匂いがする。

どうやら肉がいい具合に焼けたようだ。


「肉が焼けましたよ、ステーキにしてワサビ醤油ソースです」


「やはりこの焼けた肉の匂いはたまらんな」


「白米も用意したのでしっかり食べてくださいね」


「いい匂いね、早く食べましょ」


「東の国のお肉…そういえばワサビ醤油ソースって…ワサビってなんです?」


食事でワサビはそこまで使わないので知らないのも無理はない。

寿司などを食べる機会は少ないのだ。


「ワサビっていうのは簡単に言うと香辛料みたいなのものだ、健康にもいいぞ」


「主にお刺身などにつけるんですが、生魚はここではあまり食べませんからね」


「食べてみれば分かりますよ、醤油に溶いてあるなら辛味も軽減されているでしょう」


「ならそうするわ」


「ではいただきます」


そうして肉をナイフでカットして口に運ぶ。

醤油に溶いているとはいえ辛味はやはり残っているようだ。


「っ~!?ピリッとするわね…でもスーッとして…」


「確かに少し辛いです…でもお肉によくソースが合っていて美味しいですね」


「ワサビはお子様にはキツイかもしれんな、寿司でも子供はサビ抜きにする事はある」


「そういえばワサビ醤油ソースという事はワサビが手に入ったんですか?」


「ええ、輸入品店で買ったチューブのものですけど」


確かにアルとベリンダはその刺激に少々苦戦している。

だが次第に慣れてきたのかその美味しさに目覚めたのか。


「お肉も凄く美味しいしワサビの刺激で鼻がスーッとするわ」


「こんな美味しいお肉ははじめてです、ワサビも慣れたら美味しいですね」


「…この二人苦手はあるんだろうが慣れるの早すぎるだろ」


「そのうち本物のワサビを食べさせてみたいものです」


「近いうちに以前届いた鍋セットで鍋でもやりましょうか」


そうして美味しいお肉を堪能したお昼時。

アルとベリンダは舌が肥えているのか順応が早いのか。


この二人はある意味グルメな舌を持っているのかもしれない。

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