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謎の怪盗

町長の襲撃事件からしばらくが経過した日。

ヘルムートはアルとベリンダとメアを連れ王都を訪れていた。

用件は国の関係者が少しだけでいいので会いたいとの事。

その場所である王都の喫茶店に向かっていた。


「にしてもワシに会いたい奴とは変わった奴だな」


「あんたが言うの?」


「姫様って本当にズバズバ言いますよね」


「アルは建前を覚えた方がいいわね」


そうしているうちに王都の喫茶店に到着する。


中に入りクロードという名前を告げると奥の席で待つ彼の下に案内される。


「あんたがワシに会いたいというクロードという奴か?」


「あ、ヘルムート殿ですね、お初にお目にかかります、クロードと申します」


「あんた見た感じ国の税務局の人間よね」


「よくお分かりですね、その通りです」


「とりあえず話を聞かせろ、それからだ」


クロードはヘルムート達の分もコーヒーと簡単なお菓子を頼んでくれた。

そして本題に入る。


「実は先日こんなものが…革命団騒動もあってその場に居合わせたあなたに少し…」


クロードが取り出したのは予告状と思われるカードと手紙。

革命団の仕業かとも思ったが、そんな派手な真似はしないと思いそれを見せてもらう。


「なになに、我が名は怪盗メルトリリス、本日資産を盗みに行かせてもらう…」


「子供のイタズラかしら、怪盗なんてシャレオツなものを名乗ってるし」


「ですがイタズラにしては手が込んでいるんですよ、どう思われますか?」


「ふむ、革命団の手口では確実にないと思う、今夜だろ?なら警備は一応固めておけ」


「そうですね、でも本当に怪盗が現れたら警備も抜けられる恐れが…」


ベリンダの言う事も尤もだ。


仕方ないので家にその場で携帯端末のTHSを使い連絡を入れる。

THSは北のフラロウスで発明された通信機器。


最初は軍用に開発されたものが国の企業の手で民間向けに改良され普及したものだ。


ヘルムートは電話に出た洵に今夜は王都に滞在すると伝える。

怪盗の事が少し気になるので現場だけでも見ておく事にしたのだ。


「というわけだ、一応現場だけは押さえておく、分かったな」


「は、はい!感謝します!まさかヘルムート殿の協力が得られるとは…」


「でも怪しいものよね」


「メアの言う事は尤もよね、まあ私も気になるし一応ね」


「野次馬根性全開ですね…」


とりあえずクロードには税務局の資産の警備を固めるように伝える。

クロードはすぐに仕事に戻り警備を固めるように動き始める。


ヘルムート達は現場を一応見ておく事に。


国の内情を知る身としてはこの王都ミルディンにそういう奴が現れるのも分かる気がした。


「ここがその現場になると思われる場所なんだが」


「あんた国のこういう場所知ってるって凄いわね」


「一応引退する前は信頼される程度の外交官だしな」


「でも警備を固めてさらに元々頑丈なここを破れるんですか?」


「怪盗ならそれぐらいやってのけるわ、お約束よ」


メアも本の読み過ぎなのだろうか。

なんにしても今は特に変わりはないように見えた。


そのまま街に戻り適当に時間を潰す事に。


すると買い物途中と思われるメイドとぶつかってしまう。


「おっと、すまんな」


「いえ、こちらこそ、すみませんでした」


「でもお酒の瓶が割れなくてよかったわ」


「はい、では失礼しますね」


「なんかそそっかしい人だったわね」


とりあえず王都の適当な宿を確保し夜を待つ。

予告状にあった怪盗メルトリリスとは何者なのか。


その怪盗との捕物帳が今夜始まるのかもしれない。

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