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北側の窓

ラハブの街の町長の娘の誕生会にやってきたヘルムート達。

だが屋敷に来る前に言われた言葉が引っかかる。

北側の窓に何があるというのか。

それを頭に留めつつ町長に会う事に。


「おぉ、ヘルムート、よく来てくれたね」


「まあ一応友人だからな」


「キミは知っていると思うが、娘のエストだ」


「お久しぶりね、ヘルムートお爺様」


そんな中アル達も一応挨拶をする

アルの身分は当然隠すように言ってあるが。


「はじめまして。アルよ」


「ベリンダです」


「メアよ」


「よろしくね、アル、ベリンダ、メア」


「ではもう少ししたら始まるから会場で待っていてくれ」


そうしてパーティー会場に移動する。

しばらくして町長の挨拶と共に誕生会が始まった。


「来てる人みんな大人ばかりじゃない、同年代はいないの?」


「お前、良く見ているな」


「やっぱり社交的なつきあいなんでしょうか」


「政治をやる人間にとってコネクションは何よりも大切だからな」


「エストも嬉しそうな感じはしないわ」


メアも結構よく見ているようだ。


そのエストはというと北側の窓の近くで話をしていた。


だがヘルムートは一瞬窓の外で何かが光ったように見えたのを確認した。


「今窓の外で何か光ったか?気のせいだといいが」


「ヘルムート?」


「なんでもない、ん?また…まさか!」


「間に合いませんッ!」


「伏せて」


次の瞬間北側の窓が盛大に爆発する。

当然演出などではなく何者かによる爆破行為だ。


「エスト!急いで犯人を探せ!」


「は、はいっ!」


「お父様…ゲフッ…」


「エスト!しっかりしろ!誰か!治癒術士を呼んでくれ!急ぐんだ!」


「ゲフッ…」


割れた窓の破片がいくつかエストの腹部に刺さっていた。

さらに爆発に巻き込まれた事もあり服は焼け肌も熱に晒されていた。


その傷は見ただけで分かる程度には深く駆けつけた治癒術士も懸命の治療をする。

だが傷はあまりにも深く治療は難航していた。


一方のヘルムート達は窓の外を確認した後家の外へ飛び出していた。

犯人はまだ近くにいる、それは確信していたからだ。


「やっぱり起きたねぇ~」


「あんた知っててあのお爺ちゃんに吹き込んだでしょ」


「なんの事かな~、ラオ」


「調子のいい子ね、アタシ達も行くわよん」


「は~い」


リィリィはこれを知っていた?

そして相棒と思われるラオというオネエな男性。


そんな中ヘルムート達は怪しげな男を捕らえていた。

そいつに少し質問をする。


「やるねぇ、爺さん…」


「歳は食ったが若造になど負けん、さて、貴様は何者か吐いてもらうぞ」


「言うとでも思ったかよ…」


「なら無理にでも聞き出してやるわ、ふうっ!」


「このバッジ…国際的な革命組織のガラシャ革命団ですよ!」


ベリンダ曰くガラシャ革命団とは世界中で汚れた政治家を掃除しているらしい。

その情報網は正確で下調べもきちんとしているそうだ。


「失敗には死を持って清算せよ…」


「貴様!くそっ!」


「ははは、あばよ…革命に光あれ…」


「舌を噛み切って死んだ…なんなのよこいつ…」


「まさかガラシャ革命団なんて…つまりあの町長さんは…」


その頃町長の下にはガラシャ革命団がリークしたのか国の警察が来ていた。

罪状は横領罪、税金を私的な事に使用するために横領した疑いだ。


そのまま町長は逮捕され連れていかれる。

エストはその場に残され今も懸命な治療を受けていた。


「厄介な…それよりあのリィリィとかいう奴を探すぞ、話を聞かねばならん」


「そうね、エストの事も心配だけど仕方ないわ」


「姫様…」


「きっと大丈夫、そう信じるのよ」


「まさか国際的な革命テロ組織とは…おのれ!」


ヘルムート達はそのままリィリィを探しに走る。

一方のエストは瀕死ながらも一命は取り留めたらしい。


ガラシャ革命団、それは汚れた政治家に断罪を与える国際的なテロ組織なのだという…。

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