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隣町への用事

都市開発は終わり街はすっかり賑わっている。

そんな中ヘルムートは少し所用があるそうで。

準備をして隣町へ行く準備をしていた。

だがそれを嗅ぎつけた人達が忍び寄る。


「さて、それじゃ洵、木花、留守は任せたぞ」


「はい、ヘルムート殿も大変ですね」


「言わせるな、仕事だ」


「では留守はお任せを、お気をつけて行ってらっしゃいませ」


そうしてヘルムートが家を出る。

すると見事に鉢合わせしてしまう。


「あら、ヘルムート、どこに行くのかしら」


「うげっ、少し所用があってな、留守は任せていいか?」


「ふーん…なら私達もついていくわ、ベリンダ、メア、いいわよね?」


「姫様は言い出すと聞かないんですよね…」


「私はどうでもいいわ」


それにヘルムートも落胆しかなかった。

とはいえ言ったところで聞かないのは確定だろう。


仕方ないので同行を許可する事に。

アルは特にノリノリであった。


「とりあえず隣町だ、そんな遠くもないし徒歩で行くぞ」


「なによ、姫様を歩かせるつもり?」


「やかましいわ、さっさと来い」


「はぁ、もうっ」


「面白い人ね」


なんにしてもそのまま街を出て西の隣町へ歩き始める。

そんな中アルがその用事について訊いてきた。


「隣の街の町長の娘の誕生日パーティーに呼ばれてな、あいつとは旧知で何かとある」


「そんなの断りなさいよ、政治家のパーティーなんてロクでもないわ」


「あのな、一応元国の政治家やってた身としては簡単には断れんのだ」


「でも姫様はそういうパーティー自体経験が少ないですから」


「王位継承権が低いからそういうのもやってもらえなかったのね」


そういう理由もあってか断りにくいとヘルムートは言う。

政治家の関係とは難しいものらしい。


「どうせ裏で黒い何かが動いてるんでしょ、それぐらい知ってるわよ」


「やれやれ、若くしてそれを知ってるならお前も若年寄だな」


「な、なんにしても私もついてますから」


「ベリンダは苦労してるのが一発で分かるな」


「振り回されているのね」


そうしているうちに隣町が見えてくる。

西の隣町ラハブ、そこは北にアイリーン山がある麓の町だ。


そしてさらに西へ行くと港街トゥナがある。

この街はアイリーン山を管理する自治体でもある。


「着いたぞ、ここがラハブの街だ」


「ふーん、ここは登山家とかが目立つわね」


「北にアイリーン山があるからな、山での宝狙いの奴らが集まるんだ」


「アイリーン山って確か最近新しい廃坑が見つかってお宝探しのネタになってますよね」


「それで登山家やトレハンが目立つのね」


なんにしても町長の家に出向く事にする。

庁舎ではなく本人の家へ行くのである。


だがそこへ向かっていると一人の女性に声をかけられる。

何かと思いつつも一応話は聞く事に。


「そこのお爺さん~、少し待って~」


「…なんだ?こんな老人を逆ナンか?」


「違うわよ~、町長の家に行くのよね~?」


「なんか気が抜ける…あんた何?」


「少しね~、とりあえず北側の窓に気をつけた方がいいよ~、とだけ言っておくね~」


北側の窓に気をつけろ?何を言っているのか。

まさか何かしらの犯罪予告だろうか。


少し気になりつつも頭の隅に留めておく事にした。

彼女に名前を一応聞いておく。


「私はリィリィ~、冒険者だよ~」


「そうか、まあ一応覚えてはおく」


「うんうん~、それじゃ私は行くね~、またどこかで会えるといいね~」


「なんだったの?北側の窓とか」


「気になりますね、テロ予告とかあったとかでしょうか」


なんにしても覚えておいた方がよさそうな言葉だった。

彼女はそのまま去っていった。


ヘルムート達も少し気になりつつも町長の家へと向かうのだった。

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