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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
魔界の暗殺者
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結婚の意味

今日も今日とて変わらぬ日々を送るヘルムート達。

そんなヘルムートにアルが相変わらずの疑問をぶつける。

ヘルムートも独身なので、もうこの先結婚もなさそうな現状。

それについてどうするかと気になっていた様子。


「ねえ、ヘルムートはなんで結婚しなかったの」


「なんだ、また突然に」


「そもそも結婚するまで手が回らなかったんですよね」


「そうなの?」


木花を購入するというのは結婚は諦めたという事なのだろう。


メイドロボを購入するのは独身の人が多いというデータもきちんとある。


「この前余った梅でケーキを作ったんだが食べるか?」


「あら、もらうわ、それよりヘルムートはなんで結婚しなかったの?」


「木花の言う通りなんだがな、出会いはあったんだがそっちに回る余裕がなかった」


「それで東の国に出張した際に私を購入されたんですよ」


「ヘルムートはそんな忙しかったのかしら」


外交官時代のヘルムートは結構な多忙だったらしい。

出会い自体はあったし、プロポーズされた事もあるとか。


それでも断った事があり、そのまま今に至るという。

そして気づいたら独身のまま老人になっていたらしい。


「ヘルムートは一応プロポーズはされたんだな」


「一応な、ただ相手を幸せにしてやれる自信もそこまでなかったのもある」


「その割には私達を幸せにしてくれてるわよね」


「少なくとも今の年齢から結婚は出来ても子供を作るのはもう無理でしょうね」


「年齢が年齢だものね」


木花の言う事もその通りなのだろう。

結婚自体は今からでも相手がいれば出来る。


とはいえ年齢的に子孫を残すのは難しいだろう。

それもあってなのか今では生涯独身でいいと思っているそうな。


「ヘルムートに家庭を幸せに出来ないとも思えんがな」


「そうよね、私はヘルムートに引き取ってもらえて幸せだもの」


「そうは言われてもな、ワシも仕事人間だった事も影響してるんだろうとは思ってるぞ」


「今ではすっかりいいお爺ちゃんですよね、ヘルムートさん」


「結婚しなくても子供は養子とかでいいにしても、やっぱりもったいないわよね」


結婚も当時はしようと考えていた時期もあったらしい。

だが仕事に追われる人生を送るうちにすっかり婚期は過ぎてしまったと本人は言う。


木花を購入した理由もどこか諦めがあったのかもしれない。

だから今は今で満足しているともいう。


「私も王族だから結婚した方がいいのかしら」


「なんで僕を見て言うんだ?」


「別に王族だからって結婚する義務はないぞ、ただ国の存続には子孫が必要だがな」


「アルも一応そういう事は考えるのね」


「ですが結婚が美しいものというのは幻想だとも言われますが」


木花の言う結婚は人生の墓場という一つの考え。

もちろん幸せな夫婦もたくさん世の中にはいる。


その一方で関係が険悪になる夫婦や離婚する夫婦もいる。

特に熟年離婚はオールドタイプの男性には死の宣告になる事すらあるともいう。


「時代というのはありますよ、今定年になるぐらいの人が離婚したら男性は詰みでしょうし」


「なんでだ?別に死ぬというわけでもないだろう」


「それはあれだ、オールドタイプだと電子レンジすら使えん男もいるからな」


「流石にそれは嘘でしょ?その理論だとお湯も沸かせないってなるわよ?」


「男の人も女の人も時代ってあるのかしら」


時代というものは確かにあるのだろう。

実際家事を一切してこなかった男性はお湯すら沸かせないという話はあるらしい。


そんな夫婦が離婚したら男性はどんな生活になるのか。

女性の方も生活は一変するだろうという事だ。


「結婚っていうのはその意味を考えないとならんぞ、ワシにも事情はあるって事だ」


「なのであまり言わないであげてくださいね」


「ヘルムートも大変なのねぇ」


「最低限の家事が出来るだけヘルムートはマシなのか?」


「結婚も大変なのね」


ヘルムートが結婚しなかった理由も相応にはあるという事。

今後も結婚するという事はもうないのだろう。


それでも子供には恵まれたのは幸せなのかもしれない。

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