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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
魔界の暗殺者
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梅の味

相も変わらぬ日々を送るヘルムート達。

最近は暖かくなり始めた事もあり、暖房の温度も少し下げている。

そんなこの季節は梅から桜に変わっていく季節。

毎年やっているという事があるらしいので。


「ヘルムートさん、今年も手に入りましたよ」


「お、そうか、では今年もそれの季節だな」


「季節?なんの話?」


「何か作るんですか?」


木花が手に入れたもの、それは大量の梅の実。


少し早いもののこの季節はこれが大量に手に入る。


「おい、アイスが出来たぞ、ん?なんだそれは?」


「ソルベか、こいつは梅の実だ」


「梅ってプラムの事?」


「ええ、これを使って梅ジュースを作るんですよ」


「ジュースですか?」


梅の実から作る梅ジュース。

本当は梅酒も欲しいのだが、酒を造る時には国の許可が必要なのでそっちは造れない。


なのでとりあえずは梅ジュースだけは毎年作っている。

酸味と甘さが見事にマッチした美味しいジュースだ。


「とりあえず漬け込みますか、一ヶ月後ぐらいには飲めると思いますよ」


「梅ジュースって美味しいんですか?」


「僕もそれは気になる、梅って梅干しの梅だろう?」


「ああ、とはいえ梅干しは漬物に近いからな、こいつは漬ける前の梅の実だ」


「梅の実って緑色だったのね、てっきり赤いものだとばかり」


今年も木花が梅ジュースを作ってくれる。

我が家の子供達にも飲ませてやる事にする。


アル達は初体験だろうから、反応も楽しみだ。

ヘルムートには慣れた味ではあるが。


「でも梅って酸っぱいんでしょ?それをジュースにしても酸っぱいんじゃない?」


「基本的にはある程度希釈して飲むんですよ、そのままでも飲めますけどね」


「へぇ、なら楽しみですね」


「梅自体人を選ぶ感じはするからな、まあ梅干しよりは食べやすいさ」


「それにしても梅ジュースか、僕も気になるから楽しみだ」


梅自体は人を選ぶ、確かに酸味が強めなので苦手な人は苦手だろう。

だがヘルムートは梅干しも好きだし、木花もたまに梅チャーハンを作ったりもする。


アルとベリンダは梅干しは苦手なようだが、ソルベは美味しそうに食べている。

それもあってか梅ジュースはやはり気になるようだ。


「それで梅ジュースってどうやって作るんだ?」


「梅を下処理して消毒した瓶に氷砂糖と一緒に漬け込むんですよ」


「それで出来たものが梅シロップだな、それを希釈して飲むのが梅ジュースだ」


「ふーん、なんか面倒ね」


「でも私は気になります、出来たら飲みたいですよ」


ベリンダはお菓子作りが好きという事もあってか、興味がある様子。

とはいえアルも実は気になっているので、内心楽しみの様子。


とりあえず梅を漬け込むところから作るので、完成は一ヶ月後ぐらいか。

完成品は梅シロップなのでそれを希釈したものが梅ジュースになる。


「ソルベさんにも作り方をお教えしましょうか」


「いいのか?ならぜひとも教えてくれ」


「ソルベっていつから料理人になったの?」


「吸収が恐ろしく早いからな、教えて数日後には作れるようになってる」


「ソルベさんって凄いですよねぇ」


なんにしても今年も梅ジュースが飲めそうだ。

ソルベも木花から作り方を教わるようで。


「それにしてもずいぶん手に入ったな、それなら瓶で三つぐらい作れるか?」


「そうですね、それぐらいは作れると思いますよ」


「楽しみですね」


「ベリンダは楽しみなのね」


「僕も楽しみだぞ、こういうのは経験が大切だからな」


そんなわけで梅ジュースを作る事になった。

毎年やっている事なので、ヘルムートなどは慣れたものだ。


子供達にもそれを飲ませて感想を聞くつもりらしい。

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