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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
魔界の暗殺者
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餅の処理

正月も過ぎて仕事に戻ったいつもの日々。

そんな中少し困っている事があった。

それは想像よりも餅が余ってしまった事。

その処理を考えていたようで。


「ねえ、お餅まだ残ってるの?」


「食い切れると思ってたが、見積もりが甘かったか、どう処理したものか」


「お汁粉お雑煮焼き餅にグラタン、他に何かありますか」


「流石に私も飽きたわよ?」


そんな中キッチンからいい匂いが漂ってくる。


するとソルベが何やら運んでくる。


「出来たぞ、餅を使った温かいケーキだ」


「…温かいケーキ?」


「つまり本当にケーキにしてしまったのか」


「でも見た目はパンケーキっぽいわよ?」


「すんすん、これはあれですね、お餅を伸ばしてホットケーキみたいに焼いたものです」


ソルベも最近はテンプレートのレシピに飽きたのか独自の料理を作り始めていた。

これもその試作品の一つなのだろう。


「でも美味しいの?」


「とはいえ餅を西の言葉に直すとライスケーキだ、食えなくはないと思うが」


「あれですか、米粉ケーキみたいな」


「ついでに大福も作った」


「本当にあなた、貪欲な人ね」


とりあえず試食してみる事に。

食感はもっちり感が倍!さらに倍!な感じのホットケーキだ。


一応餅という事なのか、クリームやシロップではなくあんこが乗っている。

その味はどうかと言えば。


「不味くはないわね、というかパンケーキというよりやっぱりお餅だわ」


「でも美味しいわよ?ホットケーキだってもっちりしてるんだから大差ないわ」


「米粉ケーキのレシピを木花に聞いたからな、それなら餅でも出来ないかと思った」


「うーん、でもお餅を一つにして平らにして焼いた感じですかね」


「だが発想としては悪くないとは思うがな、この大福だって餅なんだ」


ソルベの発想自体は悪くないがやはり餅という事なのか。

だが餅を平らにして焼くという発想自体は面白いとベリンダは思っていた。


「ならこいつはどうだ?餅サンドだ」


「あれか、肉に肉を挟んだみたいなやつか」


「でも間にベーコンとチーズを挟んで焼いてあるからいい匂いよ?」


「とりあえず食べてみましょうか」


「ですね、不味くはないと思いますし」


餅サンドを食してみる。

餅でベーコンとチーズを挟んでこんがり焼いたものだ。


匂いはいいし、ベーコンの香ばしい香りもする。

その感想はと言うと。


「これは美味しいな、とはいえどうやって焼いたんだ?オーブンでは無理だろ」


「七輪で表と裏をしっかり焼いた、サンドだからそうでもしないと火が通らんからな」


「あんた変に手間かけるわよね」


「でも美味しいですよ、これ」


「だけど発想はいいと思うわね、作る手間を抜かせば」


味は美味しいが手間はかかるようだ。

だが餅を複数まとめて処理出来る事だけは大きいようだ。


「不味くはなかったけど、手間がどうもね」


「餅なんて正月でもないとこれだけ消費出来ないだろ、だからいいんだ」


「それもそうね、普段から作るには手間がかかるだけよ」


「ソルベも一応考えてくれたんだ、それには感謝しておく」


「ですね、こういう時は頼りになりますよ、ソルベさん」


ソルベの奇抜な発想は凄いものの、変なアレンジに走らないのはその腕なのか。

やはり料理上手というのは変な方向には行かないようである。


「最低限食えたのなら僕はそれでいい、不味くはなかっただろ」


「ええ、それはそうなんだけど」


「なんにしてもまとめて処理してくれたのならいいさ」


「そういう事よね、そこは発想の勝利かしら」


「ソルベさんも飽くなき探究者ですよね」


そんなソルベの発想に参りつつも、餅の数は確実に減っている。

やはりまとめて処理出来る料理は大きいようだ。


だが料理はやはりレシピを守るに尽きるとも感じたのは言うまでもない。

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