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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
魔界の暗殺者
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寒空の日

年末に向けて何かと始めているヘルムート達。

そんな今日も冬の寒空が何かと体を冷やす。

とはいえ若い人達にはそれも関係ないようだが。

冬の日も若い人と年寄りでは感じるものも違うようだ。


「流石に冷えるようになったな、もう年末も遠くないか」


「ヘルムートも歳なんじゃないの」


「アルさんは元気ですね」


「寒さを感じるのは歳のせいなんじゃないのか」


アルもソルベも元気なようで。


そこにリヒアも休憩でやってくる。


「最近は冷えるわね、でも魔界に比べたら暖かいわ」


「そうなの?魔界の冬ってそんな寒いのね」


「リヒアにとってはこの程度なんともないという事か」


「羨ましいですね、寒さに強いというのは」


「魔界の冬ってもっと寒いんだな、なんかその格好をしてる理由が分かった気がする」


リヒアはこの寒さでも腹を出した服を着ている。

寒さに強いというより、こっちの寒さが大した事はないのだろう。


魔界の冬はそれだけ寒いという事なのか。

冬なのにそんな格好をしていられるのも納得である。


「リヒアってもしかして暑さにも強かったりする?」


「そうね、逃亡中に経験したけど魔界に比べたら涼しかったわよ」


「今年はこっちもかなり暑かった記憶があるんですが」


「洵の言う通りだな、まあ20年だからいつとは言いにくいかもしれんが」


「ヘルムートは経験してるだろうし、今と20年前じゃ暑さも違うだろ」


ソルベの言う事も間違いではない。

リヒアが経験した時期はいつなのかは分かりにくい。


それでも魔界よりは涼しかったという事は、魔界はもっと暑くもっと寒いと思われる。

夏も冬もこっちより過酷なのは確かなようだ。


「でもヘルムートも歳なんじゃないの?洵も若くはないでしょ?」


「それはそうなんですけどね、体は正直という事ですか」


「我慢なんて体によくないわよ?寒いなら寒いって言いなさいよ」


「むぅ、この歳で風邪を引いたら流石にきついか」


「若くないからな、健康であっても体は嘘をつかないと思うぞ」


結局はそんな若さもあってかアルもソルベも元気なのだろう。

ヘルムートも洵もリヒアも40を越えているわけだ。


特にヘルムートはもう70を越えている、健康とはいえ体は正直らしい。

そんな年長者達はやはり寒さにも敏感になっているようではある。


「なんにしても素直にどてらでも着てなさいよ」


「どてらなんていつの間に覚えたんだお前は」


「ですがそういうのは欲しいですね、室内なら特に暖かいですよ」


「どてらとはどんな上着なの?」


「だが東の国の室内着は暖かそうだな」


アルもどこで覚えたのやら、そんな言葉だが。

とはいえちゃんちゃんこやどてらは冬は暖かいものだ。


東の国の室内着は厚さもあるので、意外と暖かい。

暖房の強い室内だと暑く感じたりもする。


「だが流石に冷えるからな、木花に頼んで出してもらうか」


「それでいいのよ、お爺ちゃんは」


「はぁ、もう若くないという事ですかね」


「私だって洵より歳下だけど、若いとは言えないものね」


「リヒアは20年逃げてたって言うからには最低でも30代は確定だよな?」


そんなリヒアの年齢だが、実際は40代である。

若くないというのも分からなくはない。


「それよりヘルムートも年末の準備とかあるんでしょ」


「そうだったな、流石に文化の違いだから年賀状は書かなくてよさそうだが」


「そこは助かりますよね、東の国の文化も面倒なものはありますから」


「東の国も何かと大変なのね」


「みたいだな、年末年始には何かとあるようだ」


若者と年寄りには何かと感じるものの違いもあるようではある。

40や50が年寄りかといえば微妙だし、若いかと言われても微妙ではあるが。


そんな冬の空の下で年末に向けて何かと始めていくのである。

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