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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
魔界の暗殺者
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年末の準備

特に変わりない日々を過ごしているヘルムート達。

そんな今日はもうすぐの年末の準備をしていた。

すぐに来るというわけではないが、すべき事はする。

年末は油断しているとすぐに来てしまう。


「ふぅ、思ったよりも何かと出てくるな」


「ヘルムート、気が早くない?」


「油断しているとあっという間に年末ですからね、最低でもという事です」


「でももうそんな季節ですか」


出来るところから手はつけておく事にしたわけで。


とはいえやはり今年も何かとあったものだ。


「ヘルムート、期限が近い食品とか持ってきたぞ」


「すまんな、そこに置いておいてくれ」


「ですがやはり今年も早いものですね」


「本当ですよ、姫様も少しは成長したみたいですしね」


「ベリンダ、あんたちょくちょく言うようになったわよね」


そんな話もしつつ処分出来るものだけでもしてしまう事にする。

すると懐かしいものも出てきたようで。


「これって私のドレスじゃない」


「アルさんも一応お姫様ですからね」


「結局着なかったな、そんな大きなイベントもなかったからか」


「イベント自体はありましたよ、姫様は第一王女ではありますけど第四子ですから」


「そう考えると立場的には複雑なんだな」


アルの立場は何かと複雑ではある。

第一王女で第四子、その関係で国のイベントなども呼ばれたりそうでなかったりとある。


今年はそんなイベントもあるにはあったが、王妃がそれを汲んだのか。

事情は理解しているようなので、知ってて呼ばなかったのかもしれない。


「それにしてもアルさんも立派になったものですね」


「姫様もここに来てから変わったんですよ」


「うーん、でも確かに知らない事はたくさん知ったわね」


「それはソルベもだろう、王族は世間知らずでいいんだ」


「なんか腑に落ちないが、まあ変わったのは事実だとは思う」


アルもソルベも確かに変化は見せている。

ソルベは料理が得意になったし、アルも前に比べて知識なども増えている。


やってみれば出来るだろうという事だろうし、挑戦は大切という事だ。

人はそんな変化をしていく生き物なのだから。


「姫様は少しでも国のために働きたいって言ってますからね」


「ほう、それは偉いではないか」


「別に王位に就かなくても出来る事はあるでしょ、父上と母上もそれは与えてくれてるし」


「そう考えると王族としての誇りはあるのでしょうね」


「権利は与えてくれている辺り王妃も国王もアルの事は信じているんだろうな」


ソルベの言う事も尤もである。

王妃も国王もアルの成長は感じているからこそなのだろう。


娘の成長が嬉しいからこそ権利は与えてくれたと思われる。

とはいえ他国の王族のソルベも立場的には似ている事もあるのだが。


「ソルベは結局国に戻るのか?」


「僕か?いや、戻らない、どうせ立場的には弱いからそこまで影響しないだろ」


「ソルベさんって最初は我儘な人かと思いましたけど、意外と人格者ですよね」


「ベリンダって少し毒を吐くようになったのかしら」


「そういう意味ではベリンダさんも成長しましたね」


木花も何気に言うものだ。

とはいえ今年の年末は全員で過ごせそうである。


「さて、さっさとやる事をやっちまうか」


「期限が近い食品とかはまとめて夕食にでも使っていいな?」


「はい、そうしてください」


「ヘルムートも元気よねぇ、歳の割に若々しいというか」


「やっぱり若さの秘訣ってあるんでしょうね」


そんな事を言いつつも出来る事は片付けてしまう。

今年も残りはそんなにない。


年末年始は木花の料理で年越しになりそうである。

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