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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
騎士と呪いと花
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騎士を選んだ理由

ソルベにそれを吹き込んだ占い師、それを待つヘルムート達。

アルの協力により王子との結託で近い内に会える事になった。

それはさておきソルベの素性についても気になっているアル。

今だからこそ踏み込んでしまうつもりのようで。


「ソルベ、あなたの素性を教えなさい」


「は?何を言っているんだ?」


「ワシも実は気になっていてな、無理にとは言わんが」


「ソルベさんってどこか高貴さを感じるんですけど、身分が高いとか?」


ヘルムート達も気になっていたソルベの素性。


騎士だと本人は言うが、隠せていないその高貴さについても。


「あら、何を話しているの?尋問?」


「違うわよ、ソルベの正体を訊いてたの」


「嫌なら話さなくてもいいんだが」


「そうだな、話してもいいとは思う」


「それならソルベさんは何者なんですか?」


ソルベもそのうち話そうとは思っていたらしい。

本人が語るその素性とは。


「僕は西の国の第四王女だ、上に兄が二人と姉が三人いる」


「は?王女?ソルベが?」


「アル、お前仮にも姫なのに知らんのか」


「つまり王族ね、それなのになんで騎士なんてやっているのかしら」


「確かに気になりますね、王族なのに」


その理由についてもソルベは話してくれる。

自分は王位継承権が一番下だという事。


継承は男が優先されるため、兄が継ぐのは確実視されている。

そして仮に継承する人物が変わっても第四王女の自分が継承する事はまずない事。


それと昔から騎士に憧れていたという事もあるらしい。

それで側近の騎士に頼んで騎士道を学んだそうだ。


どうせ王位を継ぐのはまずありえないという事もあり、騎士になりたいと思っていた。

そこに例の男という話があり、それを求めて中央の国にやってきたらしい。


「つまりどうせ王位継承は出来ないから、好き勝手に生きようって事ね」


「そういう事だ、父上も僕には世話こそ焼いてくれたが王位継承は難しいと言っていた」


「にしてもソルベが王女ねぇ、騎士としても少し乱暴なんじゃないの?」


「姫様がそれを言います?ソルベさんの事言えないと思いますよ」


「つまり騎士になった理由としては継承権が低い事とそれ故に自由もあったという事か」


ソルベの王位継承権は西の国の王族の中では一番低い。

それ故に王族のイベントなどでも目立つ事はあまりなかったらしい。


国王もよほどがない限りは好きにしていいと言ってくれていた。

国の顔に泥を塗らなければ制約は特になかったらしい。


それから騎士になる事を選び、側近の騎士に師事して騎士としてのいろはを学んだ。

優先順位の低さがソルベに自由を与えてくれていたという事でもある。


「だから別に目的を達しても国に帰る必要もない、あとは分かるな?」


「つまりこの家に居着くつもりか」


「あら、素敵な家族が増えていいわね」


「なんか私と似てるのがまた複雑だわ」


「姫様とソルベさんって今思うと似てますよね、性格的に」


そんなソルベの素性は意外ではあったが、そこまで驚きもしなかった。

とはいえアルがそれを知らなかったのはお互いに王位継承権が低いからだろう。


それ故に王族関係のイベントでも地味な存在。

それもあってか交流はあってもその存在は隠れてしまっていたと思われる。


「なんにしても父上が倒れでもしない限りは帰らないぞ」


「はぁ、なんかお互いに王位継承権が低いから知らなかったって変な話ね」


「イベントでも地味になりますからね、すみっこというか」


「ワシは構わんがな、ソルベがここにいたいなら歓迎するぞ」


「ヘルムートも懐は深いわよね」


そんなソルベが騎士になった理由とその素性。

それを知った事でなんかスッキリした様子。


あとはソルベの問題に決着をつけるのみである。

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