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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
騎士と呪いと花
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雰囲気も代金

ソルベの探す花は見つからないまま時間だけが経過する。

それでも当のソルベは至ってマイペースである。

そんな今日は夏祭りが行われるようで。

夕方のヘルムート達は街に繰り出していた。


「賑やかじゃないの」


「だな、夏も終わりだが夏祭りもいいもんだ」


「木花さんとメアさんは?」


「あの二人なら人混みは嫌いとかで木花さんが付き添って留守番ですよ」


そんな夏祭りを歩いていると先に出ていたソルベも合流する。


木花に着付けてもらった浴衣がよく似合う女性陣でもある。


「賑やかでいいな、涼しい夜に夏祭りも乙なものだ」


「ソルベ、あんたどんだけ食べ物買ったのよ…」


「ははっ、いいではないですか、色気より食い気ですよ」


「それはそれで不服なんじゃ…」


「別にいいだろ、そもそもお前達だって色気があるような歳か」


ヘルムートの言う事も尤もではあるが、どこか不服そうなアルとベリンダ。

ソルベは大人とはいえ本人は気にしていないので、色気も何もない。


そんな夏祭りでヘルムートが提案して出している出店もいくつかある。

それも見に行ってみる事に。


「お、やってるな」


「おや、ヘルムートさん、こっちは盛況ですよ」


「これってかき氷?氷溶けたりしないの?」


「そこは問題ないですよ」


「暑い時は冷たいものに限るからな」


そんなかき氷屋の他に焼そばやらお好み焼きやらたこ焼きやらの店もある。

これも洵やヘルムートが広めたおかげなのか。


もちろん西の国らしい食べ物の出店もある。

そういった店を見て回っているうちに気になる店を見つける。


「ねえ、おばさん、ここなんのお店なの」


「ここかい?ここは魔界から仕入れた特別な食べ物のお店だよ」


「魔界?そんなのお伽話だろう、そもそも魔界との交流はとっくに途絶えたはずだ」


「そういえば歴史書で500年前ぐらい昔には魔界と交流があったとか聞きましたね」


「仮にあんたが魔族だとしたらこんなとこで店なんかやってていいのか?」


するとその商人は思わぬ事を口にする。

それはソルベの探す花についてだった。


「そこの騎士様が探してる花、知りたくないかい?」


「お前僕の探している花を知っているのか!?」


「胡散臭いわね、なら証拠見せなさいよ」


「姫様はそうやってすぐに疑いますよね」


「ですが聞いておく価値はあるかと思いますよ」


一応その花について聞いてみる。

するとその商人は意味深な事を言う。


「そうだね、ならあたしと商売をしとくれ、面白いもん仕入れてやるよ」


「それが条件か?いいだろう、ただし損をさせたら許さんぞ」


「ヘルムート!こんな胡散臭い奴を信じるの!」


「ヘルムートさんは人を見る目はありますからね、ヘルムートさんが信じるなら平気かと」


「それはそうと花の事を教えろ」


その商人は一枚の紙を差し出す。

それには何やら暗号が書いてある。


この暗号に書かれた場所に行けという事なのか。

解析出来たら持ってこいとの事だった。


「それとあたしはこの街に住み着くつもりだ、何かあったら三丁目の六番にある家に来な」


「いいだろう、解読したらその時は教えてもらうからな」


「期待してるよ、それとあたしはゾール・ゴルゴアっていうんだ、仲良くしてくれよ」


「胡散臭い…でもヘルムートが信じるなら私も従うわ」


「とりあえず解読ですかね、それと何か買いますよ」


そんな自称魔族の商人ゾールとの出会い。

渡された紙に書かれた暗号を解読してみせる事に。


ゾールとの商売は歴史書にしか書かれていない魔界に接する機会となる。

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