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爺さんと怪物少女  作者: あさしおやしお971号
騎士と呪いと花
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組織改革とは

ソルベの探す花はマイペースに探すヘルムート達。

そんな中アルがヘルムートに国の事について質問していた。

それは議会の腐敗についてなのだが。

組織改革という事についても気になっているようで。


「ねえ、ヘルムート、議会について教えてよ」


「なんだ突然に」


「以前国の議会が腐敗しているという事を言っていましたよね」


「その事ですか」


以前ヘルムートが言っていたこの国の議会の腐敗。


王族はそうでもないが、議会の腐敗についてだ。


「その事か、どうにも説明しにくいな」


「おい、アイスケーキが出来た…なんだ、またか」


「それより教えなさいよ」


「そうですね、なんと言うべきなのか」


「言いにくいんですか?」


そこでヘルムートは少し話をそらし、似た話を持ち出す。

それは組織はどうやって改革するかだ。


「そうだな、アル、お前は組織改革とはどうやってやるものだと思う?」


「そんなの腐った枝を切り落とすだけでしょ?枝を放置したら森も腐るもの」


「それは正解です、ではその枝がとても切りにくいものだとしたら、どうします?」


「切りにくい枝?それでも切るしかないだろ」


「あ、つまりその切りにくい枝って…」


ベリンダが何か察したようだ。

その切りにくい枝、つまりそれは組織の上層部だという事だ。


「組織ってのは必ず上から腐るんだ、そして一番切りにくいものがその上だ」


「要するに偉い立場の人から腐るから末端には手が出せないって事?」


「だがそれは分かる、民から腐り始めて政治家まで腐った話は聞かないしな」


「それが組織改革の難しさなんですよ、上から腐る以上手が出しにくいのでね」


「上層部、つまり偉い人なので末端がクビを宣告する事はまず無理ですよね」


それが組織改革と腐敗の関係だとヘルムートは言う。

組織は必ず上から腐るので、その上を切る事の難しさ。


さらには上を切れないからこそ腐敗は広がる事も。

民主主義なら選挙で落とせばいいだけの話ではある、だがそれも簡単ではないと。


「組織は上から腐るからこそ簡単には変えられないって事なのよね?」


「そういう事だ、あと自分より優秀な奴を後任にする事は絶対にない」


「そうしたら真っ先にクビを切られるのは自分だと分かっているからか」


「そうです、そういう事があるからこそ組織改革は難しいのですよ」


「ヘルムートさんが変えようとしたけど挫折した理由って…」


結局は組織改革とは簡単ではないという事だ。

ヘルムートがなぜ外交官を辞めたのか。


国王からは続けてくれと言われたらしい。

だがヘルムートは疲れていたのだろう、だからあっさりと辞職したのかとアルは思う。


「組織改革を本気でしたいなら、腐敗議員のリストを作ってバラまくぐらいはせんとな」


「それを周知させて選挙で一斉に落とすって事よね」


「それか最悪クーデターですね、会社規模ならまだしも国となるとそういう事ですよ」


「民主主義なら選挙という手段がある、だがそれが出来ない国もある、だな」


「なんか組織改革ってそこまでの話なんですね」


ヘルムートが言う組織改革は上層部を一斉に掃除する事だ。

上を掃除しない限り組織改革はまず無理という事。


だがそれが出来るのなら世の中こんな事にはならないとも言う。

それだけ組織改革は難しいという事なのだ。


「だから覚えておけ、腐った枝を切るのは思っている以上に難しいとな」


「なんかヘルムートが仕事を辞めた理由が分かった気がするわね」


「そうだな、疲れたんだろう」


「私も自国の腐敗を見ていますから気持ちは分かるんですけどね」


「枝を切れない理由は上から腐るから…」


アルも悔しそうではあるが、理解はしたようだ。

ヘルムートがなぜあっさり仕事を辞めたのか。


そこには腐った枝を切る難しさがあるのかもしれない。

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