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北区平安に新入りを入れますか?(1)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 カマエル襲撃から一週間経った。

天使と魔物合わせて1500を超える化け物が殺し合い、北区の空が青白く照らされたが、大きな騒ぎにはなっていない。

しかし、数十の巨人がバリケードを築いて作った集落だ。どうしても注目される。結界で彼の存在が隠蔽されているとはいえ、何かあるのは明らか。

空陸問わず、上飯田など近隣に住む異能者が探索にやってきて、壁を登ろうとしては道隆の魔物に追い返される、そんな事が11回も発生していた。


「しょうがないけど、多いですね」

「あぁ…異能者?」

「昼間みたいだったしな。なんとかなんねーの、あれ?」

「結界を張ると目立たなくなるみたいけど、限度があるんだろ」


 道隆は呟くように言う。

顔には出ていないが、内心かなり焦っている。

眠っている内に異能者の群れが集落を取り囲んでいる、なんてことになるかも知れない。

何らかの手段で忘れさせるか?どうやったら穏便に済むだろうか?そんな疑問ばかり浮かんでは消える。


 道隆と暁達はテーブルを囲みながら、温かい紅茶、コーヒーを飲んでいる。

一般人の杏子は空気を読んだように黙ったまま、カップの黒い液体を静かに飲む。

道隆を招いたのは、彼女だ。実質、この集落を支配しているのは道隆だから、仲良くしておいた方がいいと判断した為、なるべく誘うように2人にも言ってある。

襲い掛かった子供達を殺害する事なく、成り行きとはいえ一緒に戦った彼とは、繋がりを持っておいて損はない。実際、今は中々快適に暮らす事が出来ていた。


「他所のやつらにも見つかるかな?」


 3人の顔に、苦いものが浮かぶ。

以前、他コミュニティとの交流を提案した杏子も、根の部分では今の平穏を壊したくないのだ。


「…引っ越しを希望する市民がいるなら、受け入れてもいいんじゃないですか?」

「変な奴入ってきそうで嫌だなー」


 道隆としては、住人なんぞ増えなくていいのだ。

かつての住環境がほとんどもどってきた現在、トラブルの種になりそうな新入りなんて抱え込みたくない。


「希望する人を面接すればいいんじゃない?」

「…その時はついてきてね」

「うん。俺らにも関係あるし、いいよ」


 道隆は紅茶を飲み終えると、杏子に礼を言って牧野家を出ていく。

彼らは住む家を変え、道隆が占拠したマンションに住んでいる。道隆が住んでいるのは南棟2階、彼女らが住んでいるのは南棟1階。

駐輪スペースを挟んだ、東棟は無人だ。道隆は自分の部屋に帰ることなく、大通りに向かって歩く。

結界の強化をする際は自分で行った方が安心だが、維持するだけなら魔物達に任せていい。強化にしたって、十数時間も励むことは無い。


(終わったら、久しぶりに仕事探してみるかー)


 派遣コミュニティにも随分と顔を出していない。

専用の掲示板を立てていると耳に挟んだ覚えがあるので、覗いてみようか。

とはいえ、オンとオフは切り替える性質であるし、襲撃によって送電が断たれる可能性を考えると、PCは極力点けたくないのだ。

携帯は擬態道隆に渡している。今ここを離れるのは不安だが、情報収集には行きたい。噂になっていたらどうしよう…。


(あぁ、魔物の誰かに行かせればいいか)


 どんな奴に行かせればいいかな、と道隆は思案する。

自分も出かけた方がいいのではないだろうか?それにお金は欲しい…。


(疲れる…。これだから目立ちたくないんだ)


 自室でPCを立ち上げ、検索するとすぐに出てきた。

異変から半年近く経ってなお、現在の愛知県は世間の注目の的だ。

SNSなどで積極的に情報がやりとりされている。虚実含めて。

道隆は人材派遣コミュから渡された会員証を手に、ナンバーとパスワードを入力。

掲示板に入り、並んでいる依頼文を眺める。


(ハローワークみたいだよな)


 あるいは求人情報誌か、事実そうなのだが。



・丸の内の様子を 報酬:6000円

場所:名古屋教会

内容:丸の内の教会に、新しいコミュニティが出来たらしい。一般人が集まっているんだが、異能者はいない。

代わりに大量の天使が集まっている。様子を見てきてほしい。周辺の写真やレポートなんかあるといい。情報が少なければ減額させて貰うが悪しからず。


・友人の捜索 報酬:5000円

場所:八事霊園付近

内容:7月の異変の際、俺の友人が名城大に知人を捜しに出てから帰ってきません。

コミュニティの異能者にもお願いしてみましたが、受けてくれません。報酬が安価で恐縮ですが、探しに行ってもらえませんか?


・強制退去お願い 報酬:ワイルドターキー8年

場所:港区

近所の空きビルにチンピラが溜まっていて五月蠅いので、追い出してきてください。

静かになればいいので、本人達の生死は問いません。


・浄水場の奪取 報酬:破魔の清水500ml+15000円

場所:日進市米野木町

尾張東部浄水場の敷地内にダンジョンに通じる口が出来てしまい、安全に業務が遂行できません。

出現する怪物が中々強く、警備の異能者が殺害されてしまいました。戦闘力の優れた異能者がいれば、御足労願います。


・妖精郷への道 報酬:雷電の晶石、蟲毒の壺+青臭い丸薬×α

場所:金山駅

金山で羽の生えた人型の魔物の目撃談が多発している。

住民の失踪や物盗りの報告も上がっており、発電炉に手を出される前に解決してほしい。

人型の魔物は、市民の間では妖精と呼ばれ、画像も出回っている。これらは死体が残るのだ。生け捕りにしてくれたら、報酬に色を付けよう。



 道隆は丸の内のコミュニティが気になった。

まだ募集されているが、報酬に興味を持ったのではない。

異能者ではなく、天使が主導するコミュニティ……厄介ごとの臭いがする。

破棄する事前提で、依頼主に話を聞いてみようか?


(いや、破棄する必要はないんだが…)


 文面から察するに、内情調査だろう。

道隆に言わせれば迂遠すぎる。一般人が集まっていようと、天使が運営している――力の差から判断するに――集落など、ロクなものではない。

さっさと滅ぼした方がいいと思うのだが、自分ではやりたくない。向こうから襲ってくるなら、全員殺してやるのだが。

今回は見送る事にして、道隆は浄水場の依頼を受けた。収入は欲しかったし、移動時間もゼロに出来る。道隆は気楽に現地に飛んだ。


ありがとうございました。

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