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青鬼の箱庭を歩く幽霊(2)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 夕方、杏子は息子達を連れて紀里野宅を訪ねていた。

昼間のコンビニの事だ。彼女は陳列された商品を勿体なく思い、他のコミュニティとの交流を提案する。


「昼間は試さなかったけど、お金を払えば買い物できると思うの。だからよそとやり取りして、お金が行き来するようにしたらいいんじゃない?」

「あぁー、でもどんな人がいるかわからないし…」


 道隆が呟くと、3人の顔に行き詰ったような色が滲んだ。

新しい住人に対する警戒度だけなら、牧野親子と暁の方が、実害があった分強い。

4人きりで集落も何もないが、妙な連中に出入りされる事にトラウマがあるのだ。


「俺、よく知らないんだよな。この辺のコミュニティ」

「砂田橋に一つあるって聞いたよ」

「後は守山にもなかった?」


 亮典と暁が次々と地名を出すが、自信は無さそうだった。

レインボーズなどの暴徒に湧いて出る怪物、そして天使。様々な勢力が名古屋中を走り回っている為、街の状況がなかなか掴めない。

ネットが使えない訳ではないので、情報収集は容易だが、一時間のうちにコミュニティが1つ壊滅することがあり得るのが、この街だ。

異能者の活動はSNSのスピードさえ凌駕する。


「探索に出ないとダメかな」

「金の扱いも考えなきゃ駄目だろ。あの幽霊みたいな奴ら相手なら、強盗する奴も出てくるかもしれねーぜ」


 暁の言うとおりだ。集金された金を、誰かに奪われたのでは堪らない。

しかし異能者相手に防犯対策など講じる事が出来るか?物体を転送させる能力など、どうやって防げばいいのか?


(父上の結界なら、異能を減衰させる事もできるだろう)


 道隆の脳内に、飛蝗頭の声が響く。


(減衰…、悪目立ちしそうで嫌だなぁ)


 結論は先送りにして、また改めて議論する事になった。

今日、明日で結論を出す必要はないし、出せるものでもない。

牧野親子と暁は三々五々、道隆の部屋を出ていく。


 その日の夜、道隆は眠れずに過ごしていた。

眼が冴えて眠れない。真っ当な人間だった頃にも度々あった。

仕事のストレス、昼寝のし過ぎ……しかしこれは違う。

悪いものを感じない。自慰でもしようかと思ったが、止した。


(夜の散歩か)


 飛蝗頭が話しかけてきた。

仮に悪習に耽ったなら、内奥に棲みつく魔物達に見られるのかもしれないが、特に気にする道隆ではなかった。

夏に分かれた家族は既に気付いているだろう。行為を恥じる年齢でもない。


(そんなところだ)


 道隆はスウェットの上下から、外行きの服に着替える。、

昼間の幽霊達は姿を消していた。まだ寝静まる時刻ではないが、明かりのついているビルは一棟も無い。

最限度の問題だろうか?とはいえ、異変前の深夜でも活動している街より、これくらいの方が健全なのかもしれない。

ひとしきり見て回ろうとした彼の知覚圏に、数百の点――天使の軍団が迫る。察知した道隆は変身し、上空に飛んだ。


 道隆は精神世界から、魔物を呼び出す。

彼自身はいくら相手してもいいが、街を守らなければならない。

コレクションを管理させている物体収納の魔物などは控えさせているが、それでも数は1000を超える。

有翼の竜や大鷲が空を埋め尽くし、巨人が壁のように立ちはだかる。完全武装の兵士が、その足元をカバーしていた。


――敵を倒すより、街を護る事を優先しろ!


 攻撃する壁となれ、と命令する。

道隆は弾丸のように天使の群れに突っ込み、手当たり次第に殴り、蹴り割る。

数十の中級天使の剣が浴びせられるも、小突かれた程度の衝撃しか受けない。

空中に展開された300の杭が洪水のように騎士達を呑み込み、地平線の果てに消えていく。


(騎士の死体は、名古屋の外に飛ばせ!)

(わかった)


 空を青白い炎が覆い尽くすが、道隆の魔物はよく防いだ。

当の本人は天使の中に、ひときわ大きな気配を捉える。豹を象った鎧を着こんだ、6枚羽の青年。

道隆は結界の維持を任せている飛蝗頭の魔物に、天使の始末を任せて飛翔。風のアルキゴスは道隆を見かけるや否や、小型の太陽を思わせる炎球を呼び出した。

秒速3000mの金属塊が、火炎球を貫いて大天使の鎧を削り、肉を抉る。炎が道隆を呑み込むが、以前ほど辛くない。

熱いというより痛いが、悲鳴を上げる程じゃない。


ありがとうございました。

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