表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/152

青鬼の箱庭を歩く幽霊(1)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 道隆が結界を敷く平安通コミュニティは、かつての賑わいを取り戻しつつあった。

歩道を無数の歩行者が行き交い、コンビニやスーパーには商品が並ぶ。自動車が走っておらず、また会話も無い為に静かだが、電気やガス、水道を使用する事が出来た。

その原理は不明。焼失する前の紀里野家の部屋と、ほとんど同じ現象が起きている。

歩行者に顔は無い。黒い人型のシルエットが、人間のように立ち働き、そしていくつかの家に帰る。


「ねぇ、これって食えんの?」

「食べれると思う。前の家でも、こんな感じだった」

「こんな感じ?」

「冷蔵庫とか棚に食べるものが勝手に補充されるんだ」


 復活しつつあるコンビニのパンコーナーで、暁は道隆に尋ねる。

店は修繕され、破壊の痕跡はない。レジに人影が静かに立ち、ジュースを収めた冷蔵ケース前に1人、アイスクリームのケース前に1人分のシルエットがいる。

総数は不明だ。他はバックヤードにいるのかもしれない。コンビニに来ているのは、道隆、杏子、暁の3名。亮典は母子の家で、留守番をしている。


「ふーん。とっていいの?」

「いいけど」

「タダで持ってってイイの?」

「儂は良いけど、知らねー」


 道隆にはわからない。

以前のケースでは自宅だったので、何食わぬ顔で飲み食いできた。

しかし、こちらは商店。勝手に持ち出したら、黒いシルエット達に攻撃されるかもしれない。


「万引きは駄目よ」


 杏子は嗜めるように息子の友人に言う。

自分の――暁の母親はいない――母親に子ども扱いされるのは、暁の心をひどく不快にさせる。

万引きは犯罪だが、この無数の商品の置いておけというのか?


「でも金ないじゃん」

「実験してみるか?」

「実験?」


 勝好は人型の魔物を一人呼び出し、商品を万引きさせた。

すると黒い人影がまとわりつき、彼を奥に引っ張る。

人影を引きずるように魔物が移動し、とった商品を戻すと、人影はあっさりちらばってそれぞれの作業に戻る。

一連の様子を、3人は並んで見ていた。


「駄目じゃん」

「いや、まぁ、あちこち探して拾えばいいんじゃない」

「それはそれで問題あると思うけど、まぁ家の電気も使えるようになったし。ありがとう、紀里野さん」

「あー、いえ、それほどでも」


 道隆達はコンビニを出て、帰宅。

途中、ゴミを集めている人影が何人も見かけた。指定の場所に置いておけばいいのかな、と杏子は呟く。

牧野家、道隆の新しい住居には既にライフラインが通っており、快適な暮らしが蘇りつつある。

愛知県、いや名古屋市全体と比較すれば猫の額ほどだが、現代人らしい暮らしができる土地。

早苗達の訪問があった頃にはかなり少なくなっていたが、現在はもう化け物を見る事が無くなった。


(そのうち噂になりそう)


 他のコミュニティがどのように運営されているか、道隆は知らない。

せいぜい人材派遣コミュの阿久津が、食料を無制限に供給できるらしい、という程度だ。

衣・食・住を供給できる異能者は、それだけで頼りにされる。チヤホヤされるかもしれないが、道隆にとっては心労の種でしかない。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ