表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/152

環希、迷宮ボス戦-変身-

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 槍のすぐそばに、巨大な怪物がいた。

刺々しい丘陵のような緑の外皮、前に突き出た大きな顎、環希の背丈ほどの幅を持つ尻尾――――ドラゴンだ。

緑色の、ドラゴンの名を連想させる巨大な爬虫類が一匹、家主のような態度で眠り込んでいる。

環希は興味を惹かれたが、特攻するのは止して、通路にゆっくり引き返す。魔物の気配は近くに感じられない。


 分岐の始まりに戻った環希は、右手の通路に進む。

その時、通路の奥から薔薇を身に纏う裸形の女2名が姿を現す。

感知網を当てにする気は環希に無かったが、効かないとこれほど心細いとは。


 環希は壁際に寄り、足音を立てないで歩く事で、2人をやり過ごそうとする。

女達とすれ違った瞬間、鼻腔を甘い香りがくすぐった。

芳香を知覚すると同時に透明化が解け、環希は2人組の女――アルラウネの前に姿を晒してしまう。


(まずい!)


 前髪で目元を隠した女達は、不敵に笑むと環希に腕を伸ばす。

身を引いた彼女の脚から力が抜け、その場に崩れ落ちてしまう。

火のついたように身体が火照っている。唇を噛んで絶え、走り出した環希は三歩で転んでしまう。

追いかけてきた薔薇女の腕が振れた瞬間、大きな波が環希を押し流した。陰部に湿りを感じた刹那、不可視の破壊が女達を切り刻む。

潮が引くように熱が消えていく。汗や諸々で下着が湿っており、気持ち悪い。


「これ…」


 環希は自分の右腕を見た瞬間、言葉を失った。

右腕の肩から先が、紺青色の異形に変化している。

象牙色の肋骨のような外殻が前腕部を包み、手の甲から指先に張り付いた外殻は篭手のようだ。

右手を握ると腕が変形し、反りのあるブレードが滑り出してくる。


「はぁ…」


 ぐったりした身体を立たせ、周囲に聞き耳を立てる。

映像を逆再生するように、腕は戻っていった。徐々に大きくなる重い音を聞きつけ、環希はつんのめりながら走り出す。

通路の突き当りに部屋があり、彼女は入口に立った時点で、行き先を確かめなかった事を後悔した。


(今更どうしようもない…、しばらく様子を見よう)


 幸い、中に怪物の姿は無い。

環希は小走りで部屋に入り、散らばっていたアイテムを回収する。

銀色の袋に入った未開封の何かの飲料、革のケースに入ったナイフ10本、そして石棺に納められた華美な装飾の施された鞘に収まる黒い刀身の直剣。

黒い刃からは霧のような圧が漂っており、心強い気持ちになる。前の2種類はともかく、剣は鞄に入らない。


 入口の方から物音が入り込んできた。

発生源との距離は5mもないだろう。環希は思わず飛び上がると、剣を抜いたまま入口の左手の角に潜む。

透明化して待ち構える環希の視界に、入口から少女を一飲みにできそうな爬虫類の頭が出てくる。

ドラゴンは顎を大きく開くと、茜色に輝く火炎を噴射した。

射出の勢いは強く、炎が壁際を舐める。直接炙られていないにも拘らず、環希の体感温度は摂氏100度を超えている。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ