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第4層、地下4階(2)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 吹き付ける雪は、冷気を操る源の異能によって掻き消された。

吹雪と同時に、超常の気配が出現。部屋に魔物が侵入する。まず狙われたのは、紗莉だ。

雷神の腕を呼び出した彼女の背後で、囁き声のような物が生まれる。ぎょっとして振り返るが何もいない。

警戒を強めた彼女を嘲笑うように、首の付け根を不可視が噛み千切る。


 紗莉の悲鳴が上がる。

少女が声を上げる直前、環希だけが襲撃者の姿を見ていた。

猿のような怪人――ウェンディゴ。骨が浮き出るほど痩せているが、白い毛で覆われているので、痩身の印象は薄い。

灰色に濁った目を若い女子に注ぎながら、鮮やかな赤で口周りを濡らしている。奈々葉がバニラ臭の粉を取り出すより早く、周哉が燃える投げナイフを放った。


 源が冷気を浴びせるも、効果は薄い。

ウェンディゴは投擲された氷柱を軽々と避け、突風と共に姿を消す。

景之の背後に現れたウェンディゴに、俊樹が突きを浴びせる。猿人が消えると同時に、青白い肌をした幽霊が現れる。

どざえもん――水死体を象った怪物だ。溺死霊にタッチされた途端、俊樹は呼吸が出来なくなった。

彼らは溺死を再現できるのだ。腕を振り回しながらもがく俊樹は、助けを求めるように見回すも、霊障を癒す手段はない。


「こっちだ――!」


 俊樹の服の襟を、何者かが掴む。

源が彼を入口そばの壁まで投げ飛ばす。間合いを広げることはできたが、相変わらず俊樹は息が出来ない。

耳の奥からごぽごぽと湿った音が聞こえ、顔を真っ青にして部屋から逃げようとする。

猪頭は鉄球をウェンディゴにぶつけた。成人男性の頭より大きな金属が、食人鬼の身体をスイカのように砕く。

探索班に命中しないよう、源は鎖を器用に操る。


 環希は楔に念を籠める。

身体から何かが抜け出ていくような感覚と引き換えに、周囲の動きが遅くなった。

いや、自分が早くなっている。俊敏さが増すと同時に、思考スピードを向上した。

その時、南の通路から迫る気配が、メンバーの気配感知域に入り込む。


 緑色の羽毛を持つ毒鳥――チンのグループが飛び込んできた。

吹雪をものともせず、6羽の魔鳥が部屋を縦横無尽に飛び回ると、周哉、奈々葉、俊樹の皮膚から感覚が消える。

身体の内側に炙られているような感覚が生まれ、周哉は膝をついた。脛が凍り付いたようで、立ち上がるのも一苦労だ。

俊樹に至っては、心臓が掴まれているような感覚に襲われていた。


 俊樹は胸のあたりを、感覚の薄れた掌で押さえる。

彼は右肩から倒れ込み、気を失った。紗莉は雷神の腕で気絶した少年を引き寄せ、声を掛けながら身体を揺する。

大須の薬局で買った錠剤を飲ませようとする。紗莉の焦りが募る。店で購入したのは傷薬が主だ。

自分とは違い、周哉に目に見える外傷はない。症状が分からない以上、対処のしようがない。


 帰還しなければならなかった。

奈々葉は誰よりも早く帰還した。景之は弟の元に駆けより、紗莉と共に俊樹を抱え起こす。

周哉も俊樹の異変に気付いていたが、全身をチンが撒いた毒に蝕まれている。環希はいつの間にか、姿を消していた。

全く無傷なのは、源と景之だけだ。


(どうする!?)


 景之が焦る頃、源は仲間達に命令を飛ばす。

意識がある者はさっさと帰るべき、気を失ったものは置いていく。


「でも、蟲井さんが」

「俺はちゃんと言ったぞ!それじゃあな!」


 源はダンジョンから、名古屋に帰還した。

探索班の事は残念だと思うが、全員助けるのは無理。諦めなければならない。

この街では、珍しい事ではない。顔見知りを置いていくのは気分が悪いが、友達でも家族でもない。

だが一応、状況を打破できそうな代物をを買おう。源は変身を解き、大須に走った。

ありがとうございました。

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