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白い翼の急襲作戦(1)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 数日後、道隆はいつものように結界の構築に勤しむ。

正午を回り、昼食の調達がてら外に出た。平安通結界内に、人ならざる気配を感じたからだ。

駅の出入口に向かって歩く道隆の視界に、視界に見慣れないものが映った。二本足で歩くひょろ長い、黒い影だ。

煙が集まったような朧な姿。


 彼らを遠巻きに見守っていた道隆は、影の分布に気づいた。

御成通や平安通などのストリートほど数が多く、住宅の間を走る路地にはほとんどいない。

立ちふさがってみるが、こちらを意に介する事無く、小さく頭を下げて通り過ぎていった。


(こいつらなんだろう)


 怪物にしては敵意が感じられない。

道隆は結界の構築を一旦脇に置き、彼らを観察する事にした。

大通りに出て、影についていく。道隆が尾行した影は、電柱にとりつくと腕を蛇のように伸ばす。

それは伸ばした腕でちぎれた電線を繋ぎ合わせると、電柱を猿のように降りて、また歩き出す。


 行き交う影の行く先は、それぞれ違う。

マンホールの下に潜っていく者、民家の水回りを修理する者、荒れ果てたコンビニの瓦礫を取り除く者…。

工具も掃除用具も無しで、放置されていた廃墟が、嘗て存在した街並みの一部に帰っていく。


(直してるのか、これ?)


 道隆は急速に近づいてくる異能者の気配に気づいた。

強く戸惑っているが、緊張していない。突然入り込んできた情報にぐったりする道隆の下に、暁がやってくる。

彼は黒い人影を倒したが、見る間に再生してしまう。亮典が道隆との関連を指摘すると、一人で彼を探しに出たのだ。


「おい!これ、お前じゃねえのか!?」

「知らないけど…」


 自分と関連があるかも知れないが、こっちも能力の全容を解明している訳じゃない。

使い方を把握しているだけだ。暁も悪意があるのではないと納得し、声を静めた。


「じゃあ、敵か?」

「そうでもなさそうだけど。こいつら街を直してるっぽいし」

「えぇ?」


 2人は黒い影の一団を追跡する。

三名の影が倒れたビルに触れる。瓦礫が、窓ガラスが、ビデオを巻き戻すように立ち上がる。

焼き焦げた絨毯が、人々の靴底を受け止めていた頃に戻った。壁で囲われた平安通一帯が、黒い影の群れの手で修復されていく。

その光景を見ながら、暁は期待を膨らませた。


「電気点くのか?」

「いやー、どうだろう。日本中やられたわけじゃないけど、電力の供給量は足りてないだろうし」


 暁は道隆から離れ、構築されつつある壁から出ていった。

巨人の間をすり抜け、静かな街で襲い掛かってきた天使を蹴散らし、中日ビルに仕事を探しに行く。

道隆も拠点に帰ると、結界の構築を再開する。

愛知県全域と比べると、面積が狭い分、力の行き渡るスピードも速い。その結果、この場所がどのような状態に陥るのか……わからない。



 熱田には4つのコミュニティが存在する。

紘が拠点を置く金山、奈々が治める日比野、蔵人が支配する東海通、千晃が腰を落ち着ける神宮前だ。

これら熱田区のコミュニティは現在、天使による襲撃に対抗する為に共同で区内の警備にあたっていた。

熱田同盟などと、日比野の俵藤奈々(ひょうどうなな)は呼んでいる。


 とはいえ、この同盟は完全ではない。

千晃のコミュニティは、ほぼ全員が夏の異変で怪物化した市民――ミュータントで構成されており、排他性がかなり高いのだ。

発起人である千晃とその連れである涼葉以外の非ミュータントを、この時点では受け入れていない。

彼らは当てにしていないとはいえ、天使の襲撃があった際は、他の3集落の援助は期待できないだろう、と千晃は考えていた。

ありがとうございました。

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