消えた男を追跡せよ(3)
趣味で書き始めました。
「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。
読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムなし。
・デスゲームなし。
・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。
・キモイ主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
「行くわよ」
夏姫が頷くと、3人の騎兵は平安通に向かって飛行を始めた。
近づくにつれ、作業していた巨人達が手を止め、空を行く馬を振り仰ぐ。
彼らはしばらく佇んでいたが、やがて作業を再開した。
まもなく、夜色の怪人が飛び出してきた。怪人はバリケードを乗り越え、早苗達目がけて飛行する。
「久しぶり」
「こんにちは」
「おぉー、生きてた!怪我して――ないな」
道隆は気配に気づき、姿を見た時点でうんざりした。
折角の新居に、女達が何を思って訪ねてきたのか、確かめなければならない。
敵対したとは思いたくないが、もしそうなら全力で殴ることに決める。しかし相手の能力がわからない。
顔には出さないが―変身している為見えない―、道隆はとても緊張している。
「なにしに来た?」
「家が壊れたらしいじゃない。さっき見てきたんだけど」
「あぁ、まぁ…」
「連絡くれればいいのに。部屋くらい用意させるわよ?」
お前に寝床を押さえられるなど冗談じゃない。
そんな事は口が裂けても言う気は無いが、そっとしておいて欲しい。
「自分で用意できるからいい。それだけか?」
早苗が口を開きかけた時、異能者の気配が接近する。
振り返らずともわかる。羊の頭を持つ、四足の巨獣が壁の外に現れた――暁だ。
牧野親子を背中に乗せて、彼は早苗達に飛び掛かる。道隆が盾となり、突進を防ぐ。彼は調子はずれの声を漏らしながら、地面に落下した。
(あぁ、こいつ等は知らないもんな)
大方、敵襲とでも思って飛び出してきたか。
ちらりと早苗達の方に顔を向けるが、気にした様子は無い。
いきなり戦闘が始まる…という事態にはならなそうだ。
「誰?」
「近所の人…」
ふーん、と早苗が言った直後、地上で暁が吠えた。
道隆はちらりと二人に顔を向けてから、巨獣のそばに降りる。
正面から大音量を浴びせられ、道隆は軽く身を引いた。自分から突っ込んだとはいえ、こっちだってタックルを喰らったんだが。
「おい、誰だよアイツら!?」
「友達じゃないの?ですよね?」
「いや、友達じゃないけど。顔見知り」
暁を宥めていると、早苗が降りてきた。
「忙しいようだし、今日はもう帰るわ。また連絡するから」
「さよなら」
突然現れて、突然帰った…。何をしたいのかさっぱりわからん。
道隆は内心首を傾げるが、深くは考えない事にした。とりあえず、この場で戦闘が始まらなくてよかった。
亮典を乗せた四足獣の遠ざかる背中を見ながら、道隆は息をついた。
ありがとうございました。