表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/152

大曾根異変(4)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 ボスは筒状の口を大きく開け、息を吸った。

道隆は抵抗するも、粒子化した肉体は徐々に引き寄せられてしまう。

ボスは胸の両目でそれを見ると、愉快そうに喉を鳴らした。

しかし、名古屋が道隆にとって有利なフィールドである以上、集中すれば十分抜けられる。


 首がコリを解すようにゆっくりと旋回する。

高架に口が向くと同時に、長い首に杭が撃ち込まれ、金属塊は地中に深々と刺さった。

爆風によって通りに面したビルが震え、亮典が転倒する。守護の外套に包まれた杏子は無事だ。


 ボスは道隆の前に向かって吹き飛ぶ。

夜色の怪人は固体化し、飛来する熊もどき目がけて右拳を打ち上げるように放った。

高校時代の頃、バレーボールで握り拳のスパイクを打ったことがある。

以前とは違い、拳はボスを弾く事なく、身体を貫いた。


 長い首は無残にちぎれているが、ボスは動きを止めない。

彼の中枢は胴体にあり、首が無くなっても致命傷にはならないのだ。

左腕が噛み千切られたように消失し、胸と腹の間を貫かれても、まだ行動不能には至っていない。

道隆がトドメを刺そうとした瞬間、その場に突風が吹き下ろす。


 暁が帰還し、勢いのまま体当たりを繰り出したのだ。

道隆は霧と化して、その場から姿を消した。不可視の怪人のそばを、羊頭が通り過ぎる。

宙に舞ったボスの身体が数十m先で地面に埋まり、そこを中心に亀裂が生じた。


「お、おい待て、待って」

「あぁ?お前みたいなクズ、生かしとく訳ねぇだろ?」


 弱弱しく媚びるボスに毒づき、痩身の獣は右胸の眼に腕を突き込む。

絶叫し、大きな腕で暁を倒そうとするも、軽々と避けられてしまう。

ダメージは与えられなかったが、彼から逃れる事には成功した為、概ね目論見通りだ。


「うぉ!」


 暁が離れた瞬間、雷が落とされた。

霧となって、周囲に漂っていた道隆が攻撃を放ったのだ。

刹那の間に数万アンペアの電流が流れ、ボスの意識は一瞬、ショートした。


「おい、お前、手ェ出してんじゃねえよ!」


 暁は変身したまま、首を左右に振る。

道隆の姿が見えないのだ。青い怪人は固体化せず、空気を振るわせて答えた。


「先にて、出したのソイツだし。文句言うなら、さっさとやれよ」

「わかってるよ!」


 ボスは全身を炎に包んで立ち上がる。

傷が塞がっているが右胸の目が潰れ、筒状の首が、王冠を思わせる口に変化している。

完全再生とはいかず、外見が変化したのだ。


「戻ってくるなら許してやろうと思ったんだが、もう駄目だぞ…」

「許す気なんかねぇ!!」


 巨獣は再び、外皮を纏った。

体格が一回り大きくなり、風を操る形態から、炎を操る形態へ。

ボスは嘲笑と共に、突進する怪物を迎える。


 鋭く振るった爪が、粘り気に捕まる。

ボスは反撃に転じようとするが、身体を宙に持ち上げられると、腕の動きを止めた。

暁は捕まえた熊もどきの身体を滅多矢鱈に打ち付ける。


 ボスは猛火の突風を起こし、暁から距離をとる。

次の瞬間、炎が縮みだした。炎の壁は火の粉に変わり、まもなく消失。

足をつけた熊もどきは、伸ばした腕を地面に落とした。


 小刻みに震えだし、やがてぶつぶつと何事かを呟き始めた。

羊頭が道隆に視線を投げるが、彼にも心当たりはない。

首を左右に振る青い怪人から目線を外し、暁はボス目がけて爪を二度、三度と振り下ろす。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ