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双少年との出会い(3)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 道隆は変身を解き、会話を試みる。

なぜ襲ってきたのか?道隆が尋ねると、金髪の少年――ショウが口を開いた。


「アイツらの追手かと思って、ぶっ殺さねぇと、って思ったんだよ」


 茶髪の女がショウの捕捉をする。

彼女達は、大曾根に集落を作り、細々と暮らしていた。

脱出を試みた事もあったが、不運にも巨大な魔物に襲われて全滅。気力が折れてしまい、彼らは救助を待つことに決めた。


 状況が変わったのは、2週間前。

殺傷力の高い異能者で構成された、ならず者によって集落が占拠されてしまったのだ。

男や老人は労働力に、若い女や少年は欲望のはけ口として、彼らに使われる事になった。


 茶髪の女――牧野杏子まきのきょうこも例外ではない。

しかし、彼女は無事だった。息子のショートカット――牧野亮典りょうすけが守り抜いたのだ。

彼の外套を着ている限り、暴漢が彼女を害する事は出来ない。コートは無理やり脱がす事は出来ず、また自身に向けられた悪意を反射する事が可能だ。


 その分、亮典は反吐が出る程暴行を加えられたが、彼は挫けなかった。

ならず者の首領は、彼の治癒能力に目をつけ、一味に加える事にする。

しかし、友人の笹沼暁しょうまで守る事は、亮典にはできなかった。


(えー、ここ世紀末かよ。さっさと避難しろよ――儂が言う事でもないけど)


 名古屋市に残った異能者の3分の1は、無法の自由を謳歌していた。

文明社会が恋しい半面、のびのびと振舞える街を慕わしく思っている。

格差が増大し、拝金主義がはびこる以前の生活への、拒否反応もある――異能者と言っても本気を出した政府には叶わないと言う無力感もあった。


 炸裂する承認欲求と、幼稚な攻撃性。

全ての異能者が当てはまるわけではないが、犯罪行為に染めている連中のうち、思想を持たない者は大なり小なり上記の性質を抱えていた。


「ふーん、で、そいつらを殺したいと」

「え…、いや」


 道隆はきょとんとした顔で暁を眺める。

彼らは明かさなかったが、金髪の少年も暴行されたのだろうと、道隆は踏んでいた。

なにせ美形だ。切れ長の瞳に生意気な色を湛えているが、身体の線は女の子のように柔らかい。


「ちがうのか?多分そいつ等、懲らしめる程度じゃ必ず仕返しに来るぞ」

「アンタ、殺すなんて簡単に言わないでよ。ウチの息子達に…」


 道隆は杏子に視線を移す。

無法地帯とはいえ、嬉々として罪に踏み込んではならない。

最低限、守るべき人倫はあると彼女は考えている。


「唆してる訳じゃない。法律で異能者は裁けないだろ、って事。」


 視線が再び、暁に戻る。

集落を占領するならず者を、封鎖の外に連れていく事は自分なら不可能ではない

しかし、証拠はおろか、捜査すらできない罪だ。罰する事など叶うだろうか?


「封鎖の外で、そいつ等の犯罪を告発するか?それで納得できるなら、そうすりゃいい」

「……嫌だ」


 絞り出すような暁の声を、亮典が聞きつけた。


「ショウ」

「何だよ、お前だって嫌だろ!?フクロにされたの、忘れたのか!?」


 暁は亮典に食って掛かる。

彼も暴徒によって、屈辱を舐めさせられた。それも一度や二度ではない。

首領が睨みを利かせている為、壊されるようなことは無かったが。


(でも、殺すなんて)


 人格の抹殺は罪だ。

必ず罰が来る。理屈を超えた恐怖が、亮典を踏み止まらせている。


ありがとうございました。

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