第4層、1階(1)
趣味で書き始めました。
「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。
読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムなし。
・デスゲームなし。
・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。
・キモイ主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
100段はあろうかという人工物めいた階段を降り、直線の通路を進む。
天井は3mの位置にあり、通路の幅は大人4人が手を広げて歩けるほど広い。
探索班はやがて、6畳程度の部屋に出た。入口が二つあり、そのうち一つは今しがた自分達が入ってきたものだ。
部屋の探索を行った彼らだが、部屋に目ぼしい物はない。
「行くか?」
「俺もうちょっと行けるけど」
周哉と源は探索を続けたかった。
一方、奈々葉は帰って休息をとるよう9名――女性達に勧める。
「私は続けたい」
長身の女がぼそりと言った。周哉は初めて彼女の声を聴いた。
「えーと、アンタは…」
「鹿島」
鹿島環希は、二手に分かれる事を提案した。
探索を続行したい者は彼女含めて、5名
1人、2人程度ならともかく、この人数ならもう少し進めるだろう。
「いつでも戻ってこれるんだから、無理しなくても」
「無理はしてない。私はまだ体力に余裕があるから」
「でも、それだと女子一人になるよ?」
奈々葉は周哉達に疑わし気な視線を投げる。
「そんなに警戒しなくても、何もしないよ!なぁ…?」
源や俊樹は首を縦に振る。
奈々葉は納得していないらしく、渋々と言った様子で口を開いた。
「私もついてく。いいよね?」
奈々葉は環希に身体を寄せながら言った。
周哉としては、人手が増える事に異存はない。
最終的に紗莉含む3名が名古屋に帰り、周哉達6名が奥に進む事になった。
通路に照明は無い。しかし洞窟程広くない。異能者の視覚で十分見渡せる。
十分弱歩くと、道が二つに分かれていた。
「来た~、どっち行く?」
「二手に分かれればいいんじゃない」
環希がぶっきらぼうに言った。
しかし何があるか分からない以上、チームを分けるのは避けたい。
「総当たりでいいんじゃないか?6人いれば、大体のトラブルに対応できるだろ」
「僕も、そっちの方が安心かな」
源の意見に、蟲井景之が追従する。
探索班は右の通路に、全員で進む事に決めた。
敵の反応が1分経たないうちに現れ、周哉は身構える。反応の主が姿を見せたのは、通路が右に曲がってすぐ。
前方からやってきたものを見て、彼は思わず拍子抜けした。
小汚いコートに身を包んだ、2人の中年男が現れた。アジア人と白人。
「人?」
「でも気配が…うぉ!」
アジア人が大振りのナイフを突き出してきた。
白人も同様のナイフを取り出し、6名にちらつかせている。
「ちょ、ちょっと待った!俺ら、戦う気は無いんだって!」
制止を試みる周哉を無視して、2人は襲い掛かってきた。
交渉不可能と見るや、一人、また一人と戦闘態勢に入る。
瞬く間に形勢は逆転し、2人のゴロツキは倒れた。
動かなくなった2人の死体を見ながら、周哉は口を開いた。
「殺しちゃったの?」
「襲ってくる方が悪い。今時、死人なんて珍しくも無いだろ」
「ふぅーん…まぁいいか」
全員の顔をさっと見回す周哉をよそに、俊樹が死体の懐を漁る。
彼らがナイフ以外何も持っていない事を知ると、ぼさぼさ髪の少年は目に見えて肩を落とした。
俊樹とはいえ、小汚い男達の服を剥こうとは思わない。
ありがとうございました。