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眠りの森

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 周哉たちは猿の群れを蹴散らした後、更に奥に進んだ。

切り拓かれた様子の無い原生林。端から5分も歩けば四方が緑に囲まれる。

心なしか、名古屋と比べて空気が美味しい…気がする。

爽やかな気持ちになった周哉は、深呼吸をした。


 森には、動物が多数存在した。

前方右手から、巨大な角を生やした鹿が現れる。

地球の鹿と全体的に似ているが、その体毛は青い。

歯を剥き出したその顔は、迷い込んだ人間達を笑っている様だった。

探索班と目を合わせた動物は、枯葉を踏みしめて去っていく。


「ひゃっ!!」


 歩き続けた時、紗莉が死体を見つけた。

木の陰に隠れるように、足を伸ばして座り込んでいる。

ほぼ白骨に近く、衣服は襤褸切れと化しており、元のデザインを窺う事は出来ない。

肩から下げるタイプの鞄がそのまま残されていた。


「おいおい、そんなもん触るなよ…」

「俺だって触りたくねーけど、なんかあるかも知れないだろ?死体に物持たせてもしょうがないし」


 俊樹は屈むと、鞄を手に取る。

恐怖や軽蔑の視線を背中に浴びつつ、蓋を持ち上げた。

中には3つの品が収められている。俊樹はそれを取り出し、一つずつ調べていく。


 まず手に取ったのは埃が付着した濃緑の瓶。

栓が締められており、左右に振ると水音がする。

中身を確かめるのは保留にし、俊樹は次の品物を手に取った。

割って中身をぶちまけるのは勿体ない。


 次に取り出した物は、小汚い巾着袋。

紐を引っ張り、俊樹が中を開いた時、源が後ろから近付いてきた。


「独り占めするなよ、俺らにも見せろ」

「んぇ?ほら」


 巾着袋を受け取った源は、中身に目をやった。

薄紫色の粉が詰まっており、開け口の周囲にバニラの香りが漂う。

味を確かめる勇気は無く、源は無言で口を閉めた。


 その間に、俊樹は最後の品物を検めていた。

古びた石像だ。腕を組んだ裸形の女だが、脛や肩などあちこちが鱗に覆われている。

その背には小さな蝙蝠の翼が生え、顔は爬虫類の物だ。

厳めしい両目と視線が合った時、俊樹の脳裏に鐘の音が鳴った。

直後、手足の先端から温かいものが身体の中央に昇ってくる。


「!」


 顔や首、頭に、痙攣した。

上半身から下半身へ、俊樹を弛緩させる痺れが走る。

指先が熱を持ち、顎を湿ったものが伝う。

よだれが垂れたようだ。手の甲で拭った時、頭の中が澄んできたように思った。


「でさ、どう分ける――」


 俊樹が8名に顔を向けた瞬間、女人像が音も無く崩れた。

石の粉が掌から滑り落ち、足元から舞い上がる。


「壊した~!!」

「え、お、俺知らない…俺のせいじゃない!?」


 首を振る俊樹から、巾着袋と瓶が取り上げられる。

入手物は相談の末、周哉の鞄に収められる事になった。

死体は探索班も進む度に、木陰や地面の上に見つかる。

俊樹が一歩近づくと、女性陣が一斉に身を引く。消沈した顔になるが、彼は気を取り直して奥に進んだ。


 奥に進む彼らの知覚網に、11の気配が侵入する。

まもなく骸骨の群れが姿を現した。

11体は探索班を取り囲むように、木の陰から近付いてくる。

9名は動く骸骨を蹴散らして奥に進む。やがて森の中の空き地に出た。


 木のない、30メートル四方程度の土地に石で組まれた簡素な祠がある。

石は高さ、幅ともにおよそ2mはあるだろう。

祠に祀られている物は無く、屋根にあたる巨石の下に地下への入口と思しき階段が続いている。

探索班は地下に伸びる階段に足を踏み入れた。


ありがとうございました。

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