表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/152

第3層――苔の縦穴(1)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 数日後、装備を整えてきた周哉達は荒子のダンジョン探索を再開する。

入手した品の数々を売り、その金で食料や寝具を持ち込む。

今回の探索は、泊りがけも視野に入れている。

名古屋への帰還はいつでも出来る。進めるだけ、進めておいた方がいい。


 洞窟のような第2層は道が入り組んでおり、また深さの概念が曖昧だ。

どれくらい降りたかは、体感で判断するしかない。

紗莉の蛇に照らされながら歩くうち、足元の岩が湿り始める。

歩く度に水音が立つようになった時、彼らは地底湖に辿り着いた。

行き止まりらしく、他に出入口は見当たらない。


「どうする?帰る?」

「潜るか」

「着替え持ってないけど!」


 不満があちこちから漏れると、源は変身を行う。


「これで問題ない。行ってくる」

「じゃあ、待ってるから――」


 猪の頭が首を振る。

ここは足場が滑りやすく、戦闘に向くとは思えない。

8名は少し戻り、天然の空き地で源の帰還を待つことにした。




「おーい、稲田さんいる?」


 1時間経過し、不安になった周哉は地底湖に呼びかける。

この間、小規模な戦闘が2度起こったが、大きな負傷は無かった。

前回の毒霧など、症状を誘発するものに対する防御物・治療物も携行している。


――テレパシーとか使えない奴ばっかなのは失敗だったな。


 周哉が踵を返しかけた時、湖面が波打つ。

聞き取った周哉が足を止めてしばらくすると、厳つい右手が現れた。

まもなく、猪面の怪人が水か上がってくる。


「おぅ、黒岩……だったか」

「元気そうだな、出入口は?」

「あったよ。こう、横っちょに穴が開いててな」


 源が変身したまま、右手でUの字を描く。

話し振りから察するに、湖の壁に人が通れるくらいの穴が開いているらしい。

トンネルは途中から上に傾斜しており、そこから奥に進めるようだ。

それを聞いた俊樹ら7名は、複雑な顔をした。


「スキューバかぁ…やった事ないなぁ」

「水着持ってくる?」

「しょうがないんじゃ…」


 奈々葉が周哉と源にちらっと視線を向けて、すぐに外した。

眉間に皺が寄っているが、気に障る事をした覚えはない。

彼女は男性陣から離れ、紗莉の隣に場所を移す。

探索班は各々荷物を取りに戻り、再集合は10分強経ってからだった。


「黒岩、着替えないのか?」

「これさー、気合入れたら水弾けないかな?」

「チャレンジャーだね!」


 源に尋ねられた周哉は、首を横に振った。

精神の揺らぎは不可視の力となって、体表から放出される。

それによって、異能者の身体能力は状況に応じて変化する。

膨大なエネルギーは着衣に、鎧のような強靭さを付加する事さえある。


「どう?」

「ダメそう」


 岩の縁から湖に浸けた足は、ぐっしょりと湿っている。

周哉は大仰に肩を竦めてから、ベルトを外す。

女性陣はちょっと離れた岩陰で、潜水用の衣装に着替える。

覗こうものなら、その場で袋叩きにされるだろう。

子供だろうと老人だろうと、異能者相手に油断してはならない。名古屋人の常識だ。


 まもなく、探索班全員が潜水の準備を終えた。

多くはレジャー用のそれでは無く、競泳用の遊びに無いデザインの水着を着ている。

周哉が視線を向けると、奈々葉は表情を歪めて、盛大に舌打ちを行った。

源含む、変身を行える者は変身を行い、衣装を濡らさないようにする。



「頼んだぞ、蟲井」

「焦んなくていいから、割るなよ!」


 全員、荷物は俊樹のボトルシップに預けている。

瓶の中は外寸より広く、9名の手荷物程度は余裕で入る。

栓をしっかり締めれば、潜水時でも多くの物品を持ち運べるだろう。

ただ、材質がガラスの為、衝撃に弱い事が不安の種だった。

俊樹の能力によって強度が向上してはいるが、異能者が殴打すれば一発で割れる。


 全員が湖に沈む。

潜水が上手くいかない者は、得手なメンバーが手をついてサポートする。

30分以上潜り続ける探索班の前に、横穴が姿を現した。

周哉が源に確認すると、彼は首を縦に振った。

幻像と融合し、再構成された肉体は高い自立性を持ち、水中行動力は周哉達の比ではない。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ