表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/152

肥えた女は理想郷を探す(3)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・展開次第でハーレムもあるか?

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


「……で、どうしよう?」

「紀里野さんはどうしたいの?」

「儂は、受け入れてもいいと思う」

「ハァ!?なんでだよ、怪しいじゃん」


 暁が不満の声を上げる。


「怪しいなら、聞いて反応を見ればいいと思うけど、どうして?知り合いじゃないんですよね」

「うん、今日の昼間あったばかりだ」

「…まさか一目惚れ?」

「違う。助けよう、って決めたから」


 咲世子と養護教諭以外の全員が、眉を顰めた。

得するが自分が間違っていると思う道と、損するが自分が正しいと思う道、道隆が選ぶの後者だ。

正しいか否かは、主観で決める。愛知県が崩壊するまでは、選びようがなかった――だが、今は違う。


「目についたから、手を出したから、面倒見ようって思うんだよ。出会ってなかったら、助けなかったと思う」

「そりゃそうだろ…なんでそう思うんだよ?」

「さぁ?ま、どうでもいいじゃない」

「ねぇねぇ、亮典も言ってたけど。異能者かどうか、聞いてみればいいじゃない。違うって言ったら怪しい人、そうだって言ったら信用できる人。どう?」


 会合の行方を、咲世子の意見を決めた。

どんな相手なのか――そもそも名乗ってすらいない――、直に見なければならないだろう。


 香菜は2体の魔物を、何度も盗み見ていた。

よくよく考えると、いきなりここに来るのは不味かった気がする。

こちらは紀里野道隆について知っているが、向こうは何も知れない……ストーカーと思われるかもしれない。


(どうしよう、入れてもらえなかったらどうしよう…)


 助けてもらえると思ったから、ここまで来たのだ。

家には帰れない。言い聞かせた父親が、恙なく後始末を済ませているだろう。

いや、ひょっとしたら帰れるかもしれないが、帰りたくない。向こうに帰ったら、受験や就職が待っている。

ロクな進路を選べる成績では無いし、昼間は二階まで階段で上がるだけで息切れしてしまう。


(どうしても入れてくれないなら、誰か襲って…)


 どうなるだろう?異能者…自分と似たような人がいっぱいいるらしい。

人間相手に超能力を使っていた自分より、間違いなく強いはずだ。数十万の、異なる能力を持つ人々が、警察や自衛隊の目の届かない土地で一塊になって暮らしている。

やっぱり帰ろうかな、封鎖の外の方が安全ではあるのだ――だが、自分には飢餓感の問題がある。人を殺しても捕まらないらしいが、私刑で殺される危険があると聞いた。


(失敗したかな…)


 バリケードの向こうから、道隆の気配が近づいてきた。

彼は異能者の気配2つ、怪物の気配1つを引き連れている。ビルのように聳える瓦礫の壁の上から、道隆が降りてきた。

道隆は、中学生くらいの少年を2人と、幼い少女を引き連れている。少女に笑いかけられた瞬間、香菜の全身で殺意のノイズが唸った。


「あ、あの~」

「あんた…名前は?」

「香菜。東郷、香菜ッス」

「東郷さんってさ、異能者?」


 香菜は思わず目を逸らした。


(ど、どうしよう…)


 明かさなかったのは不味いだろうか、不味いに決まっている。追い返されるのかもしれない。


「あ、あぁ……はい」


 絞り出すように言った彼女を見て、暁と亮典は顔を見合わせた。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ