表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/152

集う異能者、星が丘の魔女

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・展開次第でハーレムもあるか?

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 道隆は現在の境遇に染まりつつあった。

拒否感が薄くなっているのだ。疑問を覚えているし、何より過去の記憶がある。

こういうのも悪くないか、と思う事が多くなった。道隆は曖昧な危機感を抱きつつ、夜の街に繰り出すと、繁華街を当ても無くうろついた。


(2人きりって事、無いと思うんだけど)


 道隆は異能者、あるいはマーラを探すが、見つけた所で策は無い。

他に取れる手がない。内的世界の魔物がいれば、別の案が出たかも知れないが声は聞こえない。

闇に沈んだビルの屋上まで跳び、気配感知に意識を割く。触られでもしない程、感覚がシャットアウトされた状態はひどく心細い。

探知開始から終了で5秒、びくびくしながら繰り返す――星ヶ丘の百貨店近くで反応が現れた。


 道隆が様子を窺うより早く、相手から接触してきた。

女の2人組だ。他人を突き放すような印象のロングヘアと、猫のような大きな目に切れ長の眉のショートヘア。夏姫と早苗だ。


「紀里野さん…!ここで何を?」

「えぇと」

「異能者を探してたんでしょう、ついてきて」


 早苗は夏姫に目配せする。

3人は夏姫の瞬間移動で、鉄骨剥き出しのビルの一室に飛んだ。

早苗は持ち込んだらしいソファに座ると、2人にも座るよう促した。

夏姫は肘つき椅子、道隆は近くに置いてあったパイプ椅子を引き寄せる。


「紀里野さん、目覚めてから長いでしょう?何があったか教えて頂戴」

「儂だけ?そっちは」

「出せる情報がないの、昨日の夕方に覚醒したばかりだから、何でもいい、脱出の手掛かりが欲しい」


 道隆は覚醒してから遭遇した怪異について、2人に説明する。

マーラとのやりとり、その手駒である康一らとの戦闘は、早苗の関心を引いた。瞳がきらりと光り、顔がわずかに動いた事に気付いたのは夏姫のみ。

戦闘の様子を喋るときに、そこに触れたのが運の尽き。目の前で銀のリボルバーを取り出し、砲撃態に変化して実演。


「3つ目の能力…、初めて聞いたけど?」

「自分の手札を明かす奴なんていないだろ」

「そうね。正直に話してくれて、ありがとう」


 嘘を吐くというのは面倒くさい。

他人に興味のない道隆は、会話内容を忘れ去る事も珍しくない――嘘がバレやすいのだ。


「それと貴方、結局西春より外には出なかったの?」

「…出なかった」


 そう、と早苗は黙り込む。

問われた道隆は、彼女の言わんとするところが分かった気がした。

無人の駅舎やロータリー、そして街。空間の形成が完全には済んでいない、ということだ。


「紀里野さん、今日はもう聞くことは無いのだけれど、一人で帰れる?」

「あぁ、まー、大丈夫だ」


 スマホを持っていたので、連絡先を交換してから道隆は別れを告げた。

ガラスのはまっていない窓枠に手をかける。上司みたいな物言いだが、噛みつく事でもない。

走って10秒ほどで自由が丘駅前に出た。道隆はその時、北東から発せられる怪異の気配に気づく。

発信源は徳川町。怪異の気配が薄く広がり、徳川町をすっぽり覆っている。


(菅松さんがいない…、どこにいった?)


 通りの角に立つファミレスから、道隆は東に進む。

気配は徐々に強くなり、徳川園が見えてくる頃、道隆は異界に入り込んだことに気づく。

振り返ると、暗闇に沈んだ街がそこにあった。スーパーマーケットに入るが、当然明り一つない。


 生鮮コーナーを見ていた頃、バックヤードに通じる扉が音を立てて開いた。

商品棚に貼りつきつつ、音のした方向に向かうと、道隆は3つ首の赤ん坊を見つける。

白い肌で這うその姿は、道隆の胸くらいの高さまである。ちょっと考えてから、道隆は距離をとった。

入口が見える頃、足音が追いかけてくる気がしたが、道隆は変身。砲弾のように壁を破り、音の速さでスーパーから走り去った。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ