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死者を求める虚栄の戦斧

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・展開次第でハーレムもあるか?

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 マーラの軍勢が再び集まった席で、銀河は露骨に不機嫌そうにしていた。

用事は特になく、管理者権限なのか、9億の貯金を保有するディレッタントの身分が彼らには与えられている。

つまり、時間を持て余した面々が、会話しに集まっているだけだ。途中で撤退した事を全員に知れ渡っており、憐れむような、呆れたような視線が彼に注がれている。


「なんでそんなに、紀里野道隆を目の敵にするんだい」

「はぁ?このままじゃただ逃げただけだろうが!斧だけじゃ――!?」


 銀河以外の4名は曖昧に頷く。

嫌悪を担当する南雲は彼らをまるっきり無視して生きており、最後の"強情"は行方知れず。

最初に呼び出されたあの場にも居なかった。見たことは無いが、彼らが活動しているのは異能者や怪物が跋扈する名古屋。

大方、何処かで死んだのだろう。


「てめぇ…、その王冠か!」

「あ、これは」


 銀河に殴られた池崎の頭から、王冠が飛んでいく。

彼は被っている間、自分の質問に正直に答えさせることができる。

池崎が王冠を消すと、銀河は舌打ちを一度して座った。


「…帰ってくるって、復活するってか?」

「するだろ。俺、1回死んだぞ」

「あー、康一もそんなこと言ってたな」

「死んだ記憶があるって、どんな気分なの。俺なら発狂しそうだけど」


 銀河はじろりと風間を睨みつける。

死んだ時の記憶はあるが、そこには真に迫るものがない。自分主役の映画を見ているような気分にしかならない。

あっさりと殺された事を思うと、愉快ではないが、頭がおかしくならないよう処置したとでも言うのか。


「俺、死体集めてくるから」

「行ってらっしゃーい。頑張ってねー」


 銀河は名古屋の街をぶらつく。

彼の能力は、意のままに動くリビングデッドの作成。その数に制限はないが、支配できるのは"斧で傷つけた死体"のみ。

あちこち歩き回っている通行人は、異能者としての力が制限されているのか、強そうには見えない。かなりの数を揃えなければ、道隆を相手取る戦力にはならないだろう。


(ほんと、なんで目覚めたんだ、あいつ)


 銀河は思索に没頭する。

あらかじめ能力で防いでいたのか、まさかマーラより強いということは無いが。

昼から夕方になるまで、銀河は住民を調べていたが、お眼鏡に叶う人材見つからない。


(墓――は駄目か、火葬にするんだからな。死体を手に入れるなら、霊安室?)


 どこにあるのだろう、病院だろうか。

銀河は病院を探す。茜色に染まった空の下、銀河は走る。

マーラから権限を与えられているだけあり、通行人は彼を一顧だにしないで通り過ぎていく。

何度か接触したが、騒ぐ様子は無い。


(紀里野道隆をぶっ殺せる死体……)


 異能者はあの男以外いない――亮から聞いておくのだった。

彼のように、空間内の情報を引き出す事が出来ないのが、忌々しく思えてくる。

人気のない路地に入り込んだ銀河は戦斧を肩に担ぎ、ターゲットを探すが、住人を殺害は禁じられている……殺した際のペナルティはあるのだろうか。

マーラは、好きにやればいいと言っていたはずだが…?


「好きにすればいい。誰と争おうと、誰と番おうとな。楽しいと思う方に、向かって行くんだ。それが生きるって事だ」

「現実かどうとか、下らない。努力?必要ないだろ、苦しいだけじゃないか」


 銀河は戦斧を一度、地面に叩きつけてから掌から消した。

異能者がいない、他は一般人ばかり。道隆に対抗しうる死体は、彼らから用意するしかないだろう。

銀河は路地から表通りに出て、雑踏の中に姿を消した。


ありがとうございました。

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