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収束する残滓は、天使に翼を授ける(2)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・展開次第でハーレムもあるか?

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


(これで終われ、これで終われ…)


 周囲を警戒しつつ、60カウント。

あたりに漂う天使の気配は薄くなるが、地上に人が集まってきた。

道隆は不安に思いつつ、名古屋に帰還する。


(軽挙が過ぎるぞ、ラミエル…)


 丸の内の大聖堂で、セラフィエルは嘆息する。

降臨した4体のうち、3体が倒れた。彼の鋭敏な知覚は、3体を倒したのが同じ存在であると既に看破している。

エデンに移住させていた信者が倒れたのは大きな損失だが、それで教会の守りが薄くなっては仕方がない。

敷地の聖性が薄れた結果、魔物が出現する事すらありうる――セラフィエルは身動きが取れなかった。


(結界を濃くし…、聖歌隊の選定を急がねば…)


 セラフィエルは広間に座ったまま、敷地の内外で働く天使達に命令を下す。

信者の負担を考えて週に1度、音楽の時間を設ける――神を讃える讃美歌を学ばせ、美しい歌唱を持つ者を「聖歌隊」に加えるのだ。

聖歌隊の歌唱により力を回復すれば、3体の再降臨、ゆくゆくは"栄えある四大"を招く事も不可能ではない。




 翌日、道隆の周囲で事件は起きなかった。

愛知県全域に目を配っている飛蝗頭も、天使の座で動きはないと報告している。

天使達は相変わらず教会をうろついているが、軍備を拡張する兆しはないらしい。


(油断はできないが、すぐに行動するつもりは無いように思う)

(そうか…、永遠に行動しないでくれ)


 道隆は咲世子との約束を果たすべく、実験を行っていた。

彼女を遊園地に連れて行くうえで、解決しなければならない問題がある。

結界により、愛知県内で発生する怪異は外に出る事が出来ない。内的世界の魔物は結界を越えられる、浜松で戦った化け物もいたか。


――名古屋をうろついている怪物は、外に出る事が出来るのか?


 咲世子との約束に、期限は設けられていない。

ただし、約束を必ず守るよう凄まれた。彼女がしびれを切らす前に、方策を考えださなければ。。

道隆は街をうろつき、遭遇した魔物を県境から連れ出す。国道など、愛知県に通じる道には、自衛隊が展開している為、彼らに見つからないよう進む。


(どうだ、父上?)

(砕け散った…やばいやばい)


 砕けると同時に、怪物の気配が消える。これはまずい。

咲世子との約束を果たす事が出来ない。ここまで付き合った手前、死ぬのを承知で連れ出すのは躊躇われる。


(どうする?アイテムを探すか?)

(駄目だ。時間がかかり過ぎるし、そんなものあるかどうかすら分からない)


 道隆は北区平安の集落に帰還すると、内的世界に潜行する。

定期的に魔物の種類を調べているが、極めて膨大だ。その中に2体、結界の突破に利用できそうな者がいる。

最終的に判断するのは彼女だが、道隆としては、自分の内側に踏み込まれるようで使いたい方法ではない。


(結界の外に出たがることを予想していれば、違った方法もとれただろうな…)

(うるせー。何回か入れたし、いいだろ)


 道隆はより、穏当で心を騒がせない魔物を探す。

ややあってから、道隆は希望通りの者を見つけた。

道隆は内的世界から現実に帰還し、軽い足取りで咲世子の元に向かう。

彼女は亮典や暁、そして早苗達と住宅地の中にある公園でボールで遊んでいた。


 集落の外と違い、街の中は異変前と同様に変貌している。

学校もあり、NPCの職員や生徒が授業を行っているが、咲世子が立ち入ることはできない。

そもそも、このあたりは住宅地であり、市の中心部からも離れている。彼女にとって、魅力は無いだろう。


(気安く入り込みやがって…)


 道隆は早苗らに向かって、心の中で毒づく。

トラブルになりそうなので、口には出さない。

声を張り上げて咲世子を呼ぶ。駆け寄ってきた彼女は、期待するような微笑を浮かべている。

愛らしいが、驚くほど怖気を感じさせる笑みだ。


ありがとうございました。

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