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楽園の名を冠する都市の上で

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・展開次第でハーレムもあるか?

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 ドームが割れた直後、大地に現れた深い窪みに亀裂が走った。

パワーが白い枝状に広がり、その上に都市が形成される。密集する切妻屋根の民家は壁のようだ、その間から尖塔が幾つも突き出ている。

虚空に築かれた都市から、ゴマ粒のようなものが飛び出してきた。天使だ。

雪崩のように迫るそれらは、名古屋では見たことの無い者達だった。


 四つの顔と四つの翼を持つものがいた。それは獅子の顔、牛の顔、儂の顔、人間の顔を持っていた。

燃える車輪を掲げるものがあった。両手を広げる石像のようなそれは、天に向かって叫んでいるみたいだ。

輝く笏を持つものがいた。四つの翼で宙を舞い、道隆を親の仇のように睨みつける。

その隙間を埋めるように、盾と剣で武装した有翼の兵隊が流れ出す――判別する意味はない。


 目に映る全てが敵だ。道隆は一万を超す杭を展開すると同時に前方へ降りかからせた。

天使達はただちに障壁を張るが、金属の礫はこれを貫き、天使の血と肉を八つ裂きにする。血と、肉と、神秘が都市に降り注ぐ。

呼び出して問題ない魔物達で都市を取り囲み、杭の雨から逃れた天使を攻撃させる。


 道隆は突撃を開始すると同時に、魔物達を内的世界に帰還させる。

重厚な外見ながら、砲撃態の怪人に飛行は俊敏。歩行速度は不明だが、空中にいる分は通常より早い。

両腕の銃身から遠慮なく、光線を撃ちまくる。一度光が走ると、引き金を再度引かねばならない事に、戦闘中に気づいた。

兵隊――パワーズは瞬く間に空間を歪める銃撃に耐えきれず、姿を消した。


 天使達も果敢に攻めるが、ほぼ全ての攻撃が閃光によって掻き消されてしまう。

輝く笏を持つドミニオンが雷電を落とすと、その数十倍の雷電が周囲を埋め尽くす。そもそも変身した道隆に電撃は通じない。

彼らが何事か呟き、夜色の魔人を光が包む。父なる神の名のもとに、不浄を払う言霊が道隆を包む。彼は人間であり、厳密にはデーモンではない。

体内に広がった異界のコノド神族の遺灰によって、強い力を得ただけだ。聖なる霊の威では、別宇宙の存在を祓う事は出来ない。


 四つの顔を持つケルビム、燃える車輪を掲げるソロネ、ドミニオンも無傷ではいられなかった。

ケルビムは顔の2つが消え、ソロネは両腕と思しき部分と車輪しか残っていない。ドミニオンは他人事のような表情で落下しつつある。

道隆がいけると思った矢先、ソロネの気配が明滅するように濃くなる。瞬間、傷を負った天使達を優しい光が包み、その傷を癒した。

しかし、残った天使は3体のみ。さらに光線は眼下の都市や山野をも抉り、大地を穿つ。足元の果てしない大穴は、地獄の底まで通じているようだ。


「もはや我々だけか…」

「エデンは潰えたが、バビロンで待つ子らの為にも、貴様だけは討つ!」


 ケルビムに祝福を与えられたソロネが、熱気を放つ。

通常のそれより強化された紅色のガスが、道隆を炎のように挟み込む。

息苦しさを覚えると共に、装甲が溶けていく。全身を精神エネルギーで包んでいなければ、一万度を超える熱により、あっという間に蒸発していただろう。

音に達した飛行力で距離を取るが、装甲が剥離していくのは抑えられない。複眼が損傷するも、ガスの範囲から逃れた途端、真新しい細胞が生まれていく。


 肥大化した肩の先端に備わった、オレンジの光球が伸びる。

チョウチンアンコウのような突起を取り囲むように、車輪状のマイクロミサイルポッドが出現。

放たれた十数本のミサイルはガスをを掠め、3体の天使に迫る。ケルビムは衝撃波を放ち、迎撃する。飛翔体に亀裂が走り、弾頭が音を立てて弾けた。

その瞬間、凍てつくパワーが天使達を貫いた。炎が静止し、血と肉が氷結する。


 放たれたのは冷凍弾だ。

停滞の概念を内包しており、炸裂すると範囲内にいる道隆以外の存在を静止させる。

局所的な時間停止と、氷結の2段構え。そういった事情を把握していた訳ではないが、道隆は好機が訪れた事を悟る。

狙うのは燃える車輪を掲げる天使。両手を揃え、空間を捻じり切る銃撃を浴びせた。ソロネ、ケルビム、ドミニオンは光の中に消える。


 空間を引きちぎる音が響くと共に、3体は姿を消した。

気配も同時に消失――いや、残滓がその場に残留しているか。


(終わったー、よかったー!)


 安堵で肩を落とした直後、天使の気配が波濤となって襲い掛かる。

直後、眩い真珠色の輝きが四方から、道隆を圧し潰す。視界が戻るより早く、夜色の装甲に袈裟懸けに何かが打ち下ろされ、道隆は錐もみしながら吹き飛ぶ。


ありがとうございました。

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