夜色の電撃戦-天使の座へ-
趣味で書き始めました。
「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。
読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・展開次第でハーレムもあるか?
・デスゲームなし。
・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。
・キモイ主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
彼が得た装備できそうな品は装飾品3点、明らかに種類の違う篭手と脛当て一揃いづつ。
その中から、刀の差さった狼の頭を模したブローチと、ブロンズ製の月のアミュレットを"装備"した。
前者は攻撃した相手の移動を封じる効果、後者は神仏による被害を半減させる効果を持つ。
残りの使えそうな消耗品をデイパックに詰める。
異能者になった影響だろう、背負っている事が分かる程度で、重量をほとんど感じない。
ダンジョン内では変身しっぱなしとはいえ、素の状態でも軽々と動けるだろう。
道隆は立ちあがり、部屋を一渡り眺めてから、眠りについた。
翌朝、自宅を後にした道隆の後ろを、咲世子と保険教諭がついてくる。
(あのさー)
(なんだ、父上?)
道隆は自分の懸念を伝える。
天使との戦いの際、咲世子が巻き込まれてしまうかもしれない。
死ぬなら死ぬで構わないのだが、間近で死なれるのは気分が悪いのだ。
(ならば、そう伝えればいい)
(何言いだすか怖くてさー)
(結局どうしたいのだ?ついてきてほしくないのだろう?ならば言ったほうがいいぞ)
廊下に出た道隆は息をつくと、咲世子に身体を向けた。
強いのは承知しているが、危険な場所に連れて行きたくない、と訴えると、咲世子は眉を寄せた。
しかし、道隆が予想していたより、彼女はあっさり折れた。
「じゃあ、いいよ。待ってるから、帰ってきたら遊園地に連れてってね」
「遊園地。よし、わかった」
「言っとくけど、まだ貸し一つだから。これでゼロにはならないから」
「わかってる。ありがとう」
咲世子とは、途中まで一緒だった。
1階で行き先を変えた彼女達は、暁達の元に向かうようだ。
道隆はマンションの敷地を出てから、警備の魔物を50体追加投入。彼らは道隆の指示に活動不能になるまで従う、死兵の群れだ
意識を集中した道隆は、エイワース市の図書館前に出現。暗示にかけた住民を呼び寄せ、彼らから報告を受け取る。
あえて翌日にしたのは、休息もあるが、数時間程度では大して情報を集められないだろうと考えたからだ。
「フーゲ王国の湾上に、白い卵みたいなもんが出来たんだ。港に出入りする連中が喋ってたよ」
「レオナ市の浮浪者相手に、炊き出しをやってたそうだよ」
情報を一通り聞き出してから、傀儡を解放した。
勿論、自分に関する記憶を忘れるよう暗示をかけた道隆は、人気のない路地で変身。
空に上がってから、以前見た地図を頼りに飛行。東の尾根を見下ろしながら、30秒ほどで楕円形の白いドームを見つけた。
まだ小指の先に乗るほど小さいが、超常の気配は道隆を包み込むほどだ。
道隆の声なき命令により、銀色の銃が呼び出される。
厚い装甲が全身を覆い、腰から黒翼が飛び出した。その間にも距離は詰められていく。
さらに胸部には狼のブローチと、ブロンズの月が出現。秘められた効果を、道隆の全身に張り巡らせる。
天使の卵が掌に乗るほど大きくなったところで、両腕の銃身から光芒を放った。
光は瞬き一度の間にドームを貫き、背後に広がる山に刺さる。
閃光が走ったと思った矢先、以前の夜に聞いた音が道隆の耳に届く。
それ自体が輝いているような球体が、尾根を覆う森が、隆起した大地が、光の走った一点に集まる。
射程内にあった物体全ては、道隆の眼には消滅したようにしか見えない。半径数㎞が、スプーンで掬われたように抉られた。
ありがとうございました。