日常を営む紛い物(2)
趣味で書き始めました。
「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。
読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・展開次第でハーレムもあるか?
・デスゲームなし。
・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。
・キモイ主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
地下鉄から昇ってきた亮典達と合流。
駅員が立っていたので、杏子は話しかけてみたらしいが、受け答えに可笑しな点は無かった。
ただし、異変や魔物について尋ねると、可哀そうな物を見る目を向けてきたので、その場はお茶を濁して立ち去ったそうだ。
「どういう事なんでしょう?あの人たちって、黒い幽霊ですよね」
「いや、だから…」
道隆は咲世子の推測を彼らに話した。
「街の付属物…」
「けど、どうすんだよ?あいつら、敵でも味方でもないしさー」
「それは昔から一緒だろ?友達とか、家族じゃない人はさ」
道隆の中で、ある考えが形を取り始める。
もう少し観察してみれば、まとまるかもしれない。一言断ってから、集落内のコンビニに入店する。
今日の予定の無い亮典達も同行。自動ドアが開き、煌びやかな店内に入るが、まるっきり異変前のコンビニにしか見えない。
封鎖の外に出れば、いくらでも見られるのだが、このように営業している店舗は、愛知県内にここだけにしかあるまい。
「…咲世子ちゃんに聞きたいんだけどさ、この人たちは人間じゃないんだよね」
「そうだよ。人間そっくりだけど、人間じゃなくて…うーん、人形でいいのかな」
咲世子の答えを聞いた時、不意に湧いた考えは形になる。
道隆は作業する店員たちを眺めつつ、外とやり取りするべきかもしれないと思った。
咲世子は彼らを街の付属物と言い、人形に例えた。つまり、NPCだ。
ゲームのそれのように決められた台詞だけ話すわけではないと思うが、異変や放った魔物について知らないあたり、人間ほど思考に自由度は無いのかもしれない。
見計らったように、早苗が夏姫と圭を連れて尋ねてくる。
彼女達は北区平安の集落に降り立ち、以前の名古屋そっくりの様子を見ると驚いたようだった。
早苗はつまらなそうにしているが、普段寄り目が見開かれている。コンビニに案内された早苗は、棒状のプレッツェル菓子とカフェラテを購入。
飲食スペースに座ると、包みを開けて中身を取り出した。
「…食べるんですか?」
「貴方もどう?味は問題ないから」
「はぁ、じゃあ…」
圭が受け取る。夏姫も一本貰い、食べる。
チョコレートでコーティングされた菓子は、これまで食べ慣れたものだ。
修児の秘密基地内に設けられた購買スペースにも、同じ商品が置かれている。
「貴方達も、ここにある商品は購入してるの?」
「儂は別に…」
「僕たちは、依頼を受けた後にはちょくちょく…」
「つまり、ほとんどは捨てられてるって訳」
「捨てられ、てるんですか?」
「そうなんじゃない、どう処分してるのかは知らないけど」
道隆は店内で作業する店員たちを眺める。
レジに立っている1人以外は、売り場に出ていない。バックヤードに引っ込んでいるのだろう。
「だったら外と取引したら」
「取引しても、こっちの儲けにはならないでしょ」
「なら、儲けは徴収すればいい。貴方にはその権利があるじゃない」
「いいよ別に」
気にはなるが、強盗してまで金は欲しくない。
食い詰めているのでもないのだ。暁や亮典は取引について興味があるらしかったが、口にすることはなかった。
話がくれば受けてもいいだろうが、自分から売り込むものではあるまい。
ありがとうございました。