第5層よりの帰還-正午-
趣味で書き始めました。
「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。
読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・展開次第でハーレムもあるか?
・デスゲームなし。
・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。
・キモイ主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
名古屋に帰還すると、2人は解散した。
環希は揚輝荘を出る前に連絡先を交換しようとしたが、道隆がスマホを持っていないと知ると、眉一つ動かさないまま懐にしまう。
「そのうち手に入れてくるから、それ使って」
「え!?」
「え、って嫌なの。連絡用に必要じゃない」
「いや、そこまでしてもらわなくても」
環希は不思議そうに、道隆を見る。
「私は貴方と伝手を持っておきたいと思っているのだけど、嫌なの?」
「えー、別にいいけど」
「本当?」
環希は疑わしく思っているようだ。
実際、興味はないが。知り合いになっておくメリットはあるだろう。
「毎日は無理だけど…」
「私だって、毎日会う気なんてないわ」
何か期待しているわけではないが、そうはっきり言われると少し凹む。気持ちが沈んだが、小さな波が一度立った程度だ。
「そうね……1週間後にエイワースの図書館前でどう?」
「あぁ、いいよ」
「私と先生も行っていい!?」
「勿論。都合付かなくなったら、赤い鳥を使いに送るから」
忍者みたいだと道隆は思ったが、環希は反応しない。
表情に乏しい女だ。道隆は環希と別れてから、咲世子と保険教諭を連れて、星が丘キャンパス内の喫茶店に入った。
以前、早苗達と入った喫茶店だ。、名古屋大学と、喫茶店愛好家の集まり「人生を変える一杯」が運営している。
ほうれん草とベーコンの入ったキッシュとクラブハウスサンドで、2人はランチを済ませる。
ホイップクリームをトッピングしたラテを美味しそうに飲む咲世子を、店内の従業員や客が盗み見るが、道隆は干渉しない。
2人は異能者ではなく怪物なので、珍しいのだろう。以前に来た時もこんな調子だった。手を出してこないなら、相手にしなくてもいい。
★
道隆が喫茶店でまったりしている頃、環希は名古屋市大病院の中を歩いていた。
瑞穂区にある愛知県の災害拠点病院だが、ここは7月の異変を境に、かつてとは大きく姿を変えている。
既存の疾病のほか、呪いや寄生生物の除去など、霊や魔を原因とする障害に対応する施設に生まれ変わった。
ダンジョンで倒れた俊樹は、ここに入院しており、今日退院のはずだ。
あの後、名古屋に帰還出来た彼女はすぐに彼らの元に帰還。
チームはとうに崩れていたが、死人は出ていない。異能者として第2レベルに達した彼女が怪物達を片付け、名古屋に連れ帰ったのだ。
その間に症状が悪化し、俊樹は今日まで入院していた。病室に向かっている最中、周哉と紗莉、兄の景之と歩く俊樹と出会う。
「お~、鹿島さん!ちょっと遅かったね」
「こんにちは。元気になったみたいで良かった」
「ご心配おかけしました…」
あれ以来、源や奈々葉とは連絡が付かなくなった。
死んだとは思っていない。さっさと帰ってしまった為、顔を合わせたくないのだろう。
奈々葉はともかく、源は自腹で解毒剤を買って戻ってきてくれた為、俊樹は気にしていないのだが。
環希と俊樹を除くメンバーは、前回別れて以降ダンジョンには潜っていない。怪物に袋叩きにされた経験が応えたのだ。
「それで、鹿島さんはあれからもダンジョンに?」
「えぇ、頼もしい異能者とも知り合えたし」
環希は道隆と咲世子達について話す。
人語を解する怪物を連れ歩いている、という点が、みんな引っ掛かったらしく、冴えない反応だ。
しかし、暴走や狂気の兆候は見られなかったし、戦力は保証する。
「まぁ、とにかく一度会ってみようよ」
「だな」
ありがとうございました。