エイワース図書館
趣味で書き始めました。
「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。
読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・展開次第でハーレムもあるか?
・デスゲームなし。
・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。
・キモイ主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
4人はロビーで受付係に質問を済ませ、入口近くの地図に従って大閲覧室に出た。
地上に雑誌やお伽話など一般用の閲覧室、地下に研究用閲覧室がある。
地下閲覧室を使う為には身分証明書のほか、面接をパスしなければならない。
手稿などを参照しないのであれば、地上閲覧室にも郷土史が多数保管されているので、道隆達の調べ物はそちらで十分のようだ。
大閲覧室は壮麗の一言に尽きる。
菱形模様の床は顔が映る程磨かれており、埃一つ落ちていない。
丸天井の天辺を丸窓が取り囲み、広間は読書に十分な明りで満たされている、
3階層が吹き抜けになっており、100を超える椅子と、南北10列のテーブルの間から、四方を走る回廊を見渡すことができた。
壁に埋め込まれた10段の本棚には、本がぎっしりと詰め込まれている。
「すごーい…、これ全部本?」
咲世子は閲覧室の光景に圧倒されたようだ。道隆も同様だが、それとは別に気になる事がある。
(ここダンジョンなんだよなー、郷土史の本があるなんておかしくない?)
ダンジョンが現れたのは7月。
この街――世界?が誕生して、半年くらいしか経っていないはずだ。
当たり前のように暮らしている人々も、生まれて数か月…ではないのか?
発生して半年の世界で、これだけの本が出版されるものか。
(そもそもこのダンジョンが何なのか? 別世界への入口とか)
自分はこの世界について何も知らない。
道隆は郷土史も含めて、様々な本を調べてみる事にした。
本を棚から抜き出し集めながら、道隆は館内を見て回る。その間、他の来館者の様子を横目で盗み見た。
スマホを使っている人物は見当たらず、ビデオやDVDも置いていないらしい。
1時間近く経ってから、道隆は空いているテーブルにつく。
地図帳を広げる。世界地図ではなく、大陸一つ分をカバーするものらしい。
まじまじと地図を眺めたことは無いので、地形を見ても地球のそれと違うか否か判別はつかないが、見覚えのある地名はない。
「バッカニアの始まり」と題された書物を広げる。
バッカニアはラーマ大陸にあった複数の都市国家を統一して出来た国らしい。
エイワースは、バッカニア王国の中にある都市のようだ。やはり見たことの無い国名だ。
内容もそうだが、この記述は真実なのだろうか?いわゆるドッキリの類に使う小道具という可能性もあるだろう……考えすぎかもしれないが。
それに記述言語が日本語でも英語でもない。
文字の意味はわからないが、何が書かれているのかはわかる。
「そっちはどう?」
「あぁ、よく出来てるよ」
環希が隣に座ったので、広げた地図帳を彼女に渡す。
「地図集がもうあるんだ」
複数の地図を集め、製本したものを地図帳あるいは地図集という。
地球では大航海時代に入り、発展したものだ。広げると道隆の肩幅ほどもあり、携帯に向くサイズではない。
「バッカニア、フーゲ、ニスロー……初めて見る国名ね」
「それに図書館が広く開放されてるのもな」
武家や王族が書庫を持っていた例は珍しくない。
しかし、利用できるのは限られた人間だったはず。環希もその意見に頷く。
それとこの建物。1、2か月で建設できるものではないだろう。
「ねー、お兄さーん」
保険教諭に連れられたアリスが、道隆らの席に近づく。
彼女は空腹を訴え、帰りたがった。2時間は経っていないが、昼食にはいい時間だろう。
「じゃあ儂らは帰るか、どうする?」
「それなら私も帰るわ」
「えー、近くで食べてこうよ。いいでしょ?」
「…日本円使えるならね」
バッカニアで流通している通貨は、アリトン金貨、マゴト銀貨、パイモン銅貨。
道隆も環希も持っていないので、咲世子には帰還するまで我慢してもらう。道隆は彼らを馬車に乗せ、名古屋に転移を行った。
ありがとうございました。