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川の都エイワース

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・展開次第でハーレムもあるか?

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。



 平野を馬車に乗って進んでいくと、やがて砂利敷きの道に出た。

徐々に柵など人の手が入っている形跡が視界に増え、やがて角地の民家前に出た。

庭でガーデニングに勤しんでいるらしい女性がいたので、環希は馬車から降り、声を掛ける。

ここが何処なのか尋ねると、ここはマゴニアだと答えた。


「マゴニア?」

「まごにあ?」


 環希は近くに街がないか尋ねてから、女性に礼を言って別れた。

馬車の左手に深い木立を背に民家が斜面に立ち並び、右手には広々とした湖面が望める。

奥に進んでいくと、家屋の密集した区画に出た。このあたりが村落の中心なのだろう。


 環希達は馬車を降り、通行人に世間話ついでといった様子で、村について聞く。

ノイエ村、バッカニア王国の名を引き出す事は出来たが、政治体制や暮らしぶりについて窺うと、口が重くなる。

ただし、話しづらいのではない。何でそんなこと聞くんだ、という胡乱な目で見てくるのだ。

道隆は1人目で、環希も3人目でリタイアした。


「バッカニア王国だって」

「聞いた事ないわ」


 4人はもっと人の多い場所に行く事にした。

南西に都市があるらしく、そこで調査を行う事に決める。


 中央広場から30分も馬車に揺られている内、砂利敷きの細道は南西に向かって走る広い街道に束ねられた。

道は緩やかに下り、路肩に迫る野草は、名古屋では有り得ない程元気にはびこっている。

途中、川に渡された石の架橋を渡った。同程度の車両が2台並んで走れそうな広々とした道路の前方、ドーム型の台地が徐々に大きくなっていく。

橋を渡り切ると、巨大湖近くに建設された都市エイワース。湖から流れるアンナ川、アンナ川から別れたマール川によって、3つに分断された街。


 北西には商店や都庁、南西には大聖堂や学校、東には住宅地。

道隆らの乗った馬車は都庁を目指す。道は広いが、通行人の数も多い。

歩道と車道の区別はなく、人々は通りに面した家屋に身を寄せるように歩いている。

都庁は現代的なつくりをしており、窓口で職員が市民から、様々な要請を受け付けていた。彼らに混じり、道隆達は受付に向かう。


「お待たせしました。本日はどのようなご用件でしょうか?」

「この街、いえこの地域の概要について知りたいのだけど」

「それなら、都庁を出まして右にお進みください。通りを一本越えますと、扇形の屋根をした建物が見えます。そちら図書館になっておりますので、歴史、地域史の区画を参照ください」

「わかった。ありがとう」


 環希が質問役を請け負う流れになった。

席を立った環希と共に、道隆はあちこち物珍しげに眺めまわす咲世子を迎えに行く。

彼女は保険教諭を伴い、2階にまで足を運んでいた。


「ねぇ、ここつまんなーい。皆、遊んでくれない…」

「仕事する所だから、遊ばないでしょ」

「仕事って?」

「ざっくり言うと街の維持。都市のルールを作って、お金を管理して、壊れている部分があれば治す。地震や台風が起きたら、住んでいる人を避難させるわ。まだまだあるけど、聞く?」

「面白くなさそうだからいい。ねぇ、お兄さん」


 図書館に向かう道すがら、咲世子に声を掛けられた。

道隆の身体は思わず強張る。答えにくい質問でありませんように!


「いろんな建物があって面白いね。あっちより人も多いし」

「そうだな」


 咲世子の感想に、道隆は肯く。

名古屋の、というより現代日本の都市より埃っぽいが、街を構成する家屋一つ一つが個性的だ。

足元の道も何万の足が踏み固めたのだろう玉石敷き。当然、現代世界より悪天候に弱い。

その為、マゴニアの住人は道路より河川を交通の要としていた。


 小さなバルコニーから通りを見下ろしながら酒を飲む男が、通りを行き交う人々を眺めている。

前を通り過ぎた公園に、ベンチで札遊びに興じる子供たちがいた。道隆は場違いなほど、爽やかな気持ちになった。

こんな風に通行人を眺める余裕ができたのは、名古屋が異変に陥ってからだ。平日は職場と家の往復、休日も買い物がせいぜい。

一定の緊張感と、有り余る余暇。あの頃より時間がゆっくり流れている。


 やがて、窓口の職員が言っていた通りの建物に辿り着いた。

20名は横一列に並べそうな広い階段の上から、扇形の屋根を持つ建物が見えた。

赤褐色の外壁に、現地のものと思しき文字が装飾されている――ここが図書館らしい。まさかとは思っていたが、垂直に扇形をしているとは。

階段を駆け上がる。右手は公園になっており、子供が駆けまわっているのが見えた。


ありがとうございました。

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