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いざ、第5層へと

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・展開次第でハーレムもあるか?

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 天使の襲撃が無くなって1週間後、道隆は咲世子と共にダンジョンに向かっていた。

揚輝荘の聴松閣。イシュタムを倒したことで、人の行き来が戻っている。

それにやや顔が売れたかもしれない。管理人が挨拶すると、何人か視線を送ってきた。


(質の悪い奴に絡まれませんように!)


 道隆が別の場所から入ればいいのではないか、と言うと咲世子が不思議そうな顔をした。

まだこのダンジョンを探索していないのに、なぜ他所から入ろうなどと言い出すのか。


「ダンジョンに行くの、嫌?」

「いや、咲世子ちゃんがいいならいいんだ。悪いな」

「別にいーよ!気にしないで」


 また貸しを増やされるのも困るので、道隆も粘着しない。


「ちょっといい?」

「あ、おねーさん!久しぶり!」


 地下に向かう途中、ベリーショートの女が声を掛けてきた。

少年のような髪型で身長も高い。男のようだが、トップスの膨らみを見るにそれはあり得ない。


「貴方達、先週出てきた怪物を倒したそうね」

「まぁね!首に縄巻いた女の人でしょー?」


 道隆は女の意図を計りかねつつ、話を待った。

単なる世間話ならすぐに終わる――いや、女の話は長いとよく言うはずだ。

仮契約の魔物は引き続き、亮典達に預けてあるし、天使達が姿を見せる事もなくなったので、あまり心配はしていない。

名前の件については、アンドラステの出奔があったこともあり、暁も口にしなくなった。不便だろうとは思うが。


「単刀直入に言うけど、私と組まない?」

「貴方も友達になってくれるの?」

「…えぇ、友達になりましょう」

「やったー!私、咲世子!お姉さんは?」

「鹿島環希。あなたは?」


 問われた道隆は、自分の名前を告げる。

相手の異能に警戒しつつも、道隆は咲世子の後ろについていく。

もし良からぬ企みを腹に秘めているなら、殺害も辞さない。


 即席の探索チームは、揚輝荘ダンジョンの第2層に足を踏み入れた。

幾何学模様の刺繍された絨毯が足元に敷かれ、壁と天井には漆喰が塗られている。

たっぷりととられた空間は、地上の建物より動きやすい。咲世子は拾ったアイテムを珍しそうに眺めつつ、呪いを籠めた呟きで怪物を蹴散らしていく。

汚れた翼を持つ天使の一団が襲い掛かるも、灰白に染まった道隆の爪で貫かれ、あるいは斬り裂かれる。


 単眼の巨人が稲妻を撃つも、両腕に盾を持った鬼に防がれてしまう。

彼らの戦いぶりを見ながら、環希は内心舌を巻いた。変身能力を持ち、かつ魔物を使役する事が出来る。

一人でありながら、彼はチームで動く事が可能だ。咲世子もあどけない容姿ながら、指一本触れる事無く怪物を殺害していく。

格闘能力の程は不明だが、そこを白い肌の女型が補う。2人に比べると印象は薄いが、踏破困難と評判のダンジョンを徘徊する怪物と打ち合うだけの能力を備えている。


 以前のチームでは比にならない程スムーズに、環希は第5層までたどり着いた。

歩道の両脇を水路が走る迷宮の階段を登り、平な蓋を押し開けると静かな湖の畔に出た。

道隆達が顔を出しているのは、地面に埋まった砲塔のごとき鈍色の筒。縁には梯子がかかっており、1人ずつ湖畔に降りた。

左手には岸にへばりつくようにして、小さな村落が建っている。赤茶色の屋根に染みの浮いた白壁の、童話に出てくるような家々だ。


「ここ…」

「ダンジョンの中でしょう。空気が違うもの」


 道隆は小さく頷く。

迷宮内より自由だが、大気中に超常の気配が満ちており、異能者の感知能力は役に立たないだろう。


「すっごーい!こんな所、初めて来た!!」


 咲世子は塔から顔を出すなり、感激した様子だ。

日本の大都市ではまず見られない景色、村の反対側にはなだらかな峰。

麓近くを漂う帆船の大きさから判断するに、間近で見れば高く険しいのだろう。


「それじゃ、あの村を目指そうと思うのだけど」

「早く行こーよ!」

「あぁ、行くかー…」


 咲世子に腕を引かれては断り切れない。

歩き出した道隆の前で、白衣の保険教諭ゾンビが駆けだした咲世子を追いかけている。

気配感知を広げるが、名古屋にいた時ほどはっきりした反応が返ってこない。

水面に石を投げ込んだ時に波紋が起きるように、感知の網を揺らす何かを複数感じるだけだ。

発生源までの距離を掴めるほど、細かくない。諦めた道隆は、周囲を警戒するが生き物らしい影も声も見つからない。


ありがとうございました。

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