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咲世子のダンジョン初体験(2)

趣味で書き始めました。

「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・展開次第でハーレムもあるか?

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・キモイ主人公。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


「そんなに強いんだ!見てみよーよ!」

「うん、あぁ…」


 逃げ去る人の群れが絶えた。

道隆と咲世子のやり取りを見て、女性――鹿島環希は眉を顰める。

話している内に気づいたが、この少女と傍らの白貌は怪物ではないか。誰も気づかなかったのか?


「私も、もう行くから。戦うなら気をつけて」


 道隆は裂け目の部屋の扉を開け、しばし立ち止まった。3カウント程度で硬直を解き、扉を後ろ手に閉める。


「どうかした?」

「あぁ、亮典達のところに、魔物を送ったんだ。天使が来るといけないから…」

「天使!?私も見てみたーい!」


 道隆は苦笑しつつ、裂け目を潜り異空に足をつける。

先程とそっくりの部屋から廊下に出ると、膝から力が抜けた。

思わず床に手を突きそうになるが、壁を支えに堪える。見ると、咲世子が硬い表情で廊下の奥を見つめている。


「どうしたの?」

「とても強いものが来る。お兄さん、ここで死ぬかも」

「えぇ…」


 廊下は恐るべき濃度の超常の気配で満たされている。

小学生のころ、彼岸の墓参りで訪れた霊園を想起させる空気だ。


「来た」


 道隆は変身すると、咲世子が視線を注ぐ方に向かって身構えた。

まもなく、月の刺繍文様が目を引く衣装の女が姿を現す。巻きスカートから覗く素足は、白蝋のようだ。

細い首には麻縄が巻き付けられており、先端が独りでに持ち上がっている。


「あぁ、貴方達は逃げないのね。いらっしゃい」


 女――イシュタムが両手を広げた瞬間、道隆の意識が遠くなった。

それと同時に、破滅願望が今更のように蘇ってくる。数学の勉強をさぼった結果、偏差値の低い高校にしか入れなかった彼は、暗い高校時代を送った。

私立だった為、札付きのヤンキーとは関わりを持たなかったとはいえ、輝く将来は描けない。今さらという気がして、ろくに勉学に励むことは無かった。


 その結果が現在だ。

心を入れ替える気にもならず、流されるままに生きている。

もっとも、大学受験の頃には両親の分裂が進行しており、掛井が困窮していた事もあって進学どころではなくなっていたが。


 しかし自殺を思い立ったことは無い。

栄達はしないのだろうと思ってはいるが、道隆は悲観主義者ではない。

死ぬなら、自分の意思でない死がいい…。


「お兄さん!」


 袖を何かが引いた。

声の方に顔を向けると、表情の曇った咲世子がこちらを見上げていた。


(あいつのせいか…!)


 内心冷や汗をかきつつ、前方の女に顔を向ける。

イシュタムは肩を竦めると、呪詛を呟いた。魂とでも言うべき存在の核を抹殺し、それに応じて肉体を崩壊させる死神の言霊。

死に近い咲世子と保険教諭は、これを問題にしない。地力の差はあれど、相性は悪くない。

問題は道隆。生の側に立ち、毒や病、水に抵抗力を持っている彼だが、死の呪いを無効化する術は持っていないのだ。


ありがとうございました。

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