咲世子のダンジョン初体験(1)
趣味で書き始めました。
「先日、僕らの街が終了した件について」の続きです。
読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・展開次第でハーレムもあるか?
・デスゲームなし。
・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。
・キモイ主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
秘密基地を出ると、日はかなり傾いていた。
星ヶ丘駅前に出た3人は、馬車に乗って東山通を、北区平安を目指して西に進む。
本山駅を通過するあたりで、異能者のチームを捕捉した。
「ねぇ、お兄さん。お兄さんにそっくりな人が6人もいる。兄弟?」
「兄弟?」
馬車の窓に、人の姿は無い。
自分達と同じように、気配を感じ取ったのだろうか?
「あー……仕事してるんじゃない?」
「お仕事?」
問われた道隆は、派遣コミュで受けられる仕事について話す。
本来、異能者達は自分が暮らす集落の維持の合間に、暇があれば依頼を引き受けるのだが、一人で暮らしていた道隆には分からなかった。
物資の入手、怪物の退治、人探し、ダンジョン探索、護衛…主な依頼を思いつく限りあげる。
「ダンジョン?」
道隆は戸惑い気味に、知っている限りの情報を教える。
「なにそれ面白そう!?私達も行こ!」
「え、もう夜になるけど」
「別にいいでしょー、すぐ帰るから、ね?先生、いいでしょ?」
咲世子が水を向けると、保険教諭は顔を動かす。
やり取りは読み取れないが声を弾ませる少女の様子を見るに、了承の意思を示したのだろう。
辟易しながら、道隆は同行する事を約束。数㎞の感知圏を持っている彼は、ダンジョンの在処を既に看破していた。
歯学部付属病院から北にある揚輝荘の南園。
赤塗りの迎賓館、聴松閣の地階に高難度のダンジョンへの入口が口を開けていた。
既に管理者がおり、安定している為、第1層は楽に踏破する事が出来る。
そのあたりの事情を知らぬ3人は早速園内に入ってみるが、人の姿は無い。
車寄せから玄関に入ると、左手の事務室から出てきた男に出迎えられた。
咲世子が尋ねたのだが、ここで寝起きしているらしい。
松坂屋の前身である「いとう呉服店」の初代社長、伊藤祐民の別荘として建てられた庭園。
開発により南北に分断されたとはいえ、ここ聴松閣の市の有形文化財だったのだが。
(まぁ、こんな状況じゃな)
男にダンジョンに入れてくれるよう頼むと、快く引き受けてくれた。
代金やアイテムといった対価を払えば宿泊や食事もできるらしい。腕に覚えのある異能者が通う為、食っていくだけの儲けは出ている。
道隆はそれらを聞き流し、咲世子を連れて地下に足を踏み入れる。
「どんな所なのか、楽しみだね!」
「うん、まぁね。儂も初めてだし」
裂け目のある部屋が見えた時、異能者が次々と引き返してきた。
そのうちの一人、ベリーショートの女性が声を掛けてくる。女性としては、長身の部類に入るだろう。
「貴方達、悪い事は言わないから引き返した方がいい」
「どーして?」
「強力な魔物が出たの。逃げるまでに異能者が何人も殺された」
「はぁ…?」
道隆は傍らの少女に意識を向けた。
強力な魔物、異能者を何人も殺せる…一度見ておきたい、と道隆は考えた。
ありがとうございました。