白いお姉さん 小夜物語 第59話 white elder sister small night story 59 talk
このことは、、
今まで母以外には、誰にもしゃべったことがないんです
というのもきっと誰も信じてくれないおはなしだと思うのです。
でも?あなただったらきっと。信じてくれますよね?
だから思い切って今夜はお話ししたいと思います、
実はずっと昔のことなんですが、、
私が小学3年生くらいだったと思います。
そのころ、、、私が、、、
「白いお姉さん」、、と呼んでいた、美しいお姉さんがいたのです。
といっても実の姉ではありません。
昭和25年くらいの頃でした。
私が住んでいたのはとある田舎の、そのまた、田舎の山村でした。
その村には割と有名な大きなお寺があって、戦争中は近くの大きなそのお寺にもたくさんの疎開児童が来ていたそうです。
かくいう私も実は東京生まれで、東京育ちでしたが、戦争でこの村の祖父母の家に疎開してきていたのです。
戦後、父は東京へ再び、戻って働きましたが、、母と私は戦後の焼け野原の、混乱状態の東京にに戻っても仕方ないということで、
ずっとこの田舎に、い続けたというわけでした。
田舎、疎開、そして少年の私は10歳だった。(と、、思う)
そんなある日、
初めて白いお姉さんにあったのは春まだ浅き3月頃でした。寒い朝でした、学校へ行こうとして何時もの道を歩いていると見たこともないようなお姉さんが沼のほとりに立っていました。
「これから学校?」とお姉さんは気さくに話しかけてきて、それから二人は連れ立って歩きながらたわいもない話をしたことを覚えています。
そうして学校の古い木の校門のところまでくるとお姉さんは「じゃあ」といって、
すっと角を曲がって消えてゆきました。
それからというもの、1週間に、一回くらいは現れて、一緒に登校したことを覚えています。
たわいない話をしながら、、、。
、
僕はいじめというほどではありませんでしたが、、都会の子、疎開者の子、というので村の子供たちとは
一線を置かれていて、、つまり、、まあ、、いつも、、独りぼっちだったんです。
だからお姉さんとの会話はものすごく楽しかったことを覚えています。
でも?不思議なことには、、
白いお姉さんは確か中学生(15歳くらい?)なのに、
かばんも持ってないし、セーラー服も来ていないのです。
学校、行かなくっていいのかな?と単純に思ってはいましたがお姉さんにそのことを、ただす勇気はありませんでした。
そうして、
私はその人のことを「白いお姉さん」と何時しか勝手にそう呼んでいた。
いつも白いブラウスと紺のスカートをはいていた(と、、おぼろな記憶の中にはあるからです)
とはいえもう50年も前のことだからそうだったかどうかは定かではない。
お姉さんはすらりとした体形で髪の毛は長くて確か?後ろで束ねていた?ようだった。
いずれにしても遠い記憶なのではっきりしない。顔立ちは、ほそおもてというのか
清楚な顔立ちで、、特に印象的だったのは
肌の色(顔色)がとっても白くってきれいだったということだった。
だから私はいつも「白いお姉さん」と呼んでいた。
でも実は
その人の名前がどうしても浮かんでこないのです。
確か「お姉さんの名前はなんていうの?」って、ある時、聞いたことがあったんですが
「いいこと誰にも私のことしゃべっちゃだめよ、秘密にできる?そして。ごめんね。名前も秘密なの」っていうんです。
僕は一瞬たじろぎましたが「いいよ絶対誰にも言わない」って約束したんです。
それから時々お姉さんは夕方の下校時にもふいに現れて私と一緒に家の前まで帰ることもありました。
薄暗い田舎道の角に立っていて僕とおしゃべりしながら、帰ったこともありました。
でも「よってったら」って僕が言ってもお姉さんは「ううんいいのよここまでで」って言って
絶対家の中までは入りませんでした。
夏になると村の少年は近くの川にも遊びに行きましたが水遊びに行きましたが、その帰りに、河岸段丘の山道でばったり白いお姉さんにあったことがあります。
さすがにその時はぞくっとしましたが、お姉さんはいつも通りで優しく微笑んで
「おさかなとれたかな?」と言って私の魚籠をのぞき込んだりしていました。
その時の服装も白いブラウスに紺のスカートだったと記憶しています。
いつも全くおんなじ格好なんて変ですよね?
でも当時は別に9歳の僕は違和感は感じませんでしたが、、。
それにしても
お姉さんはふいに現れてまたふいに去ってゆく、、不思議なお姉さんでした。
ある日のこと、お姉さんがいつになくかなしそうな顔で「私もうすぐ、遠いところに行かなくっちゃならないんだ」と、ぽつりと言いました。
「え?お姉さんともう会えないの?」って僕が言うと、
「ずっと会いたい?」って僕をのぞき込むように言うんです。
僕は一瞬、ドキッとして、お姉さんと一緒にどこへ行くんだろうと怖くなり、、、。
「でもお姉さんはひとりで行くことに決まってるんでしょ」って言いました。
「そうよ、寂しいわね、あえなくなるなんて、、」
そういうとお姉さんは振り向きながらとぼとぼと村の道を去ってゆきました。
それからぱったりお姉さんが現れなくなって、、しばらくした、秋口のことでした、
私はある日高熱を出してしまい意識不明になってしまったんです。
昭和25年ですから、、しかも、すごい田舎ですから、、病院もなくて、家で寝てるだけでしたが、、
そしてうわごとでしきりに白いお姉さんがどうしたとかこうしたとか
お姉さんが呼んでるとか言ったらしいんです。
そうして3日もたったころやっと意識が回復して、、
心配した母が私に尋ねたんです。
「お前、白いお姉さんが呼んでるとか言ってたけど白いお姉さんって誰?」
僕は素直に今までの、お姉さんのことを打ち明けました、
すると母はキツネにつままれたような顔で
「こんな田舎な小さな村だよ、
この村にそんなお姉さんがいるなんて聞いたこともないよ」、っていうんです。
確かに田舎の山村です。中学生くらいなのに学校も行かずにぶらぶらしてる女生徒がいるわけもありませんよね。もしそんな子がいたら村中の話題というか、注目の的ですよね。
小さな村です、村中の住人はすべて誰でもみんな知っている。
9歳の私もさすがに、そういわれると確かにそうだなと、思うのでした。
母は続けて。
「もしかしたそれは10年前に神隠しにあった、あの少女も知れない。」と。
なんでも10年くらい前に一人の少女がふっといなくなり、
神隠しだとか
さらわれただとか大騒ぎになったそうです。
そして、その子は二度と見つからなかったそうです。
私はおかげさまで次第に回復して、元通り元気になりましたが、
それ以来あの白いお姉さんは二度と私の前には姿を表すことはありませんでした。
あれから50年。
50年も前のことだから今お話しした通りだったのか、どうかさえ、、実は、、そうだったかどうかは定かではない。
すべてがおぼろでしかないのです。
でも、お姉さんの姿だけはくっきりと今でも鮮明に覚えているのです。
お姉さんはすらりとした体形で髪の毛は長くて確か?後ろで束ねていた?ようだった。
顔立ちは、ほそおもてというのか
清楚な顔立ちで、、特に印象的だったのは
肌の色(顔色)がとっても白くってきれいだったということだった。
白い肌のきれいなお姉さん、
だから私はいつも「白いお姉さん」と呼んでいた。
あれは幼い私が勝手に生み出しただけの妄想だったのだろうか?
それとも、、、もしかしたら遠い日に本当に実在した「白いお姉さん」だったのだろうか?
それにしてもあれから50年もこうして、生きてきて
あんな美しい白い肌の人を私は一度も見たことがないのです。
あの白いお姉さん以外には、、、、。
すべてが
やがて
思い出にかわる時が来る。
今青春真っ盛りの
そう
あなただって
やがて
すべてが思い出にかわる時が来る。
それが人の世の定めなのだから。
おわり。
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(注)この物語は完全なフィクションであり現実の一切とは何の関係もありません。
完全なフィクションです。




