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無限大図書の底  作者: うにくらげ
仕事がたまってますよ?
17/18

七不思議#5

扉を開け中に入ると、そこには1本の廊下が続いていた。私は中に入る。すると、パタンという音が後ろから響いた。慌てて後ろを振り返るが、そこには先ほどくぐった扉は存在しなかった。ただ後ろは長い廊下があるだけだった。


【大図書の七不思議完全版 著者 大図書館管理人イラナ】

より抜粋。






「これは何処に向かっているのかな?」


 黒い煙をはきながら、黒い列車が走る。窓の外は真っ暗で何も見えない。かれこれ3時間は停車もせず走り続けている。未だにこの列車に乗って良かったのか不安だ。


 扉に入り、振り返ると帰り道が無くなっていた。しぶしぶ、何もない廊下を数分歩き続けるといつの間にか駅のホームにいた。誰かいないものかと探して回ったが誰もいなかった。そこに時代錯誤の蒸気機関車がホームに入ってきたわけだ。


 普通の人間なら乗らない。ただ、イラナからはこう言われた。


「とりあえず進み続けるのよ。後ろに戻るのはダメ。先にいく道がある限り進めば、そのうち帰ってこれるから。」


 ホームからは出れないし、しぶしぶ前に進むためにはこの列車に乗るしかないと言うわけだった。

 列車に俺が乗ると、汽笛をならし前へと進み始めた。他に客はいないものかと探してまわったが誰もいない。それどころか運転席でさえ誰もいなかった。


「魔法の列車?」


 適当に納得し、今は1番後ろの車両のテラスでのんびりしている。のんびりとゲームをしている。ほんと、あの天使様には感謝しないと。何故か無限バッテリーのこのハード、こういう暇で死にそうな時に最適だ。近いうちに屋上遊びにいかないとな。






 流石にゲームにも飽きたという所で、列車が停まった。外を見ると、何処かの駅についたようだ。俺は列車から降りて、駅のホームを歩く、すると今度は改札があり外に出ることが出来た。


「出たのはいいけど、、何処だよここ。」


 こんな所になぜ駅があるのか、目の前は断崖絶壁だった。下を見下ろすが、下がまるで見えない。そこで、ふと思う。


「あ、これ振り返ると駅が無くなってるパターンでは、、。」


 正解だった。振り返るとそこには駅がなくなっていた。そして、思うわけだ。前に進むってことは、ここか飛び降りろってことなんだと。


「、、流石にこれは、、死ぬでしょ。」


 崖の上に座り、考えること1時間がたった。近くにあった花をむしり、花占いを永遠とし続けていた。


「死ぬ、死なない、死ぬ、死なない、、死なないかぁ、、そろそろ行くか~。」


 と、覚悟を決め立ち上がった時だった。誰かに後ろから思いっきり押された。訳がわからないまま、俺は谷底に落ちていった。





 ボッシャーン、ドボーン、とかそういう効果音がベストだろう。海に落ちた。


「あびゃーモゴモゴ、、な"ん"でぶみに。」


 なんとか沈まないように全力で身体の力を抜き、浮力に身を任せる。数秒後プカーと海面に俺は顔を出すことに成功した。とまぁ、顔を水から出してみるとそこには小さな女の子がいるじゃーないですか。それはもう、小さいっていうか多分妖精みたいな?手のひらサイズ?とかそんな感じだ。空飛んでるし。


「全く~根性なしね~。待ちくたびれて来ちゃったわ。あなた、ここ数千年で最低記録よ?」


 海月のような形をして、そしてそれに水色の猫のような耳?がついた帽子をかぶり、黒い髪に水色の服を着ている。そして手のひらサイズの女の子。と、その子を俺はびしょびしょの手でがしりと掴む。


「え?あの?え?」

「お前が俺の突き落としたのか?」

「も、もちろんよ。あなたがビクビクして、いつまでも、、あ、ちょ、それは、。」


 話終わらないうちに、とりあえずなんかウザイという事で逆さまにして、頭から海水にを突っ込んだ。ブクブクと10秒ほど沈めたあと、水中から外に出した。


「ごめんさいは?」

「だ、誰が謝ることなん、、あ、あ分かったわ。謝るから、水に入れないで!」

「海月ぽい帽子を被ってるから、てっきり水中で呼吸出来るのかと思った。」


 俺は皮肉そうにそう言うと、手を放してあげた。


「はぁ~、ここじゃあれだわ。場所を変えましょう。」


 というセリフと共に場所変わる。海でプカプカ浮いていた俺はいつの間にか、何処かの森に移動していた。服はびしょびしょだけど。


「ふぅ、、全くこんな目に遭ったのは初めてだわ。」

「君だれ?ここは何処?」

「ここは、、、何処だろう?分からないわ。あ、私はくらうにー。そして、頭に乗っているこの子はうにくら。」

「俺はまさとだ。よく分からないけど、帰り道分からない?」

「あーそれなら、、。」


 というと、くらうにーは赤い液体出す。


「これを飲むと図書館に帰れるわ~。でも、貴方にはさっきひどいことされたし、どうしようかな?」

「それはお互い様だろ?」

「、、、ま、そうね。いいわ。」


 俺は受け取った液体をーーー飲まずに、くらうにーを掴むと口に無理やり流し込んだ。毒味というやつだ。


「あ、ゴボォォ。gうぉgwh、まずっ!ちょ!げほっげほ、、なにしてくれてるのよ!!」

「いや、毒味をちょっと。しかも、毒入ってたのか?」

「違うわよ。その赤い液体が凄い不味いだけだわ。」

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